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子育て? ⑬

 イチゴ畑の最下段まで下りた二人と一匹は、端から順に実の様子を見ていく。尤も、少年はイチゴ自体目にするのは初めてなので、オミがざっと目を通して、赤く色付き収穫に適したものを見つけ出したら少年に教え、少年が収穫する形で作業を勧めている。
 オミに教えられながら幾つか収穫していると、じきに少年が不思議そうな表情をし、手に取ったイチゴをマジマジッと見つめるようになる。
 「どうしたの?」
 オミが何かあったかと声を掛けると
 「この…点々?粒々?なニでスか?ミんなに付いてるでス。」
 ルーヴが、手に持っていたイチゴを掲げ不思議そうに尋ねる。
 「種だよ。イチゴの種。それを上手に育てるとコレになるの。」
 微笑みながら答えるオミ。が、実はオミの脳内では、『委縮させるな』『緊張させるな』『気を使わせるな』と警告が渦を巻いている。そしてソレを『勘づかれるな』とも…。
 「…タネ。コレを育テる…。」
 少年は呆けた様にイチゴ畑を見回し、徐々に頬が紅潮しはじめる。
 「オミは…単に育てるだけなら得意だし?」
 微笑みかけながら、気を落ち着かせるように声を掛けると、ルーヴは視線を自分の手元と、笑顔を向けるオミの間で幾度も往復させる。暫く手元のイチゴを見つめ、次にゆっくりとオミの顔を見上げ、笑顔を返しながら力強く頷いて見せる。

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