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最上部にて…

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お買い物 13

 カズキ自身、改善したくても良い案が思いつかず…お兄ちゃん達としてもフォローしてやりたいが、やはり思いつかず…で結果、微妙な空気だけが辺りを漂う。
 「お父さんの話題になったんで、丁度良いからルーヴにちょっと教えておく事がある。」
 イツキが大人の無情さで、あっさりとその場の微妙な空気を無視して言葉を続ける。ルーヴが注意を向けると
 「コレはもう決定だから、ルーヴがどう思おうと考えようと、変えられないから、そこは頭に入れておきなさいね?」
 ルーヴに伝わり易いように、一言一言区切って話す。
 「ルーヴのお父さんの生活に対して、アチラコチラから苦情が出ていて、担当の人も、これ以上時間を掛ける訳にいかないと判断して、強い対応を取ると言って来た。」
 イツキの口にした『強い対応』に、お兄ちゃん達がざわつく。
 (強い対応って何だ?)
 (罰則規定でもあったのか?)
 (そりゃ…俺達は関係無いけどさ…)
 そんな様子を一顧だにせずイツキが続ける。
 「頑張っている人達と、頑張らないルーヴのお父さん。同じにしていたら、ルーヴのお父さんだけズルイって話しになるよね?そこは分かるだろ?
 「だから、頑張らないのはダメだ、とルーヴのお父さんが嫌でも理解する様に、ちょっとキツイ思いをして貰うことになった。
 「具体的には、公用語会話の学習を規定時間受けないなら食事量を減らす。自国語会話の学習を規定時間受けないなら、やはり食事量を減らす。家長であるならば、扶養義務の理解及び履行の徹底、これは…まぁ、言っている事を実際にやって見せろって事で。やれないなら技能習得カリキュラムへの強制参加と課題達成の指示に従え。と、で、やれないだろうから指示に従うことになる。実際、特にやってなかったしね、家族の扶養。後は…公用語での読み書き・計算と自国語での読み書き・計算の最低レベルの習得。これは読める・計算できるが最低条件なので、出来ない場合はひたすら復習。出来ても一段高いレベルの習得が求められるので…結構な期間『お勉強』漬けになるね。
 「で、今迄は自主性を重んじられていたけれども…これからは、担当が付いてキッチリ見張られるので、一切のサボりが不可能になる。それと、食事量を減らすってのは…一回の食事の量が減らされるって事で、昼抜きとかでは無いから安心して。で、最低必要量はキチンと提供されるから、栄養失調なども心配しないでね。医師の診断も月に一回受けるしね。ひと月持てば…とも思うけど。」


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お買い物 12

 お兄ちゃん達から言外に牽制されずとも、カズキだって母親との面会の方が遊びより優先されて当たり前だと言う事ぐらい、充分認識可能なワケだが、遠回しにワザとらしい程に口にされると腹が立ってくるもので…。
 文句を付けようと口を開きかけた時に、ハタと気付き止める間もなくこぼれ出る。
 「お父さん、は…?」
 その一言に、一瞬辺りが鎮まり…辺りの気遣う雰囲気を無視し
 「オ父サん、なマけモノだから…知ラないっ!」
 軽く頬を膨らませたルーヴが、自身でキッパリ答える。
 「ナマケモノ?」
 「って…怠け者?」
 お兄ちゃん達の間では、直ぐに顔を見合わせヒソヒソと小声で確認が取られ、切っ掛けを口にしたカズキは、まさか父親を『怠け者』呼ばわりするとは流石に思いつかなかったので、少々顔を強張らせている。
 「グーたラゴろゴろは『なマけモノ』デしょ?」
 ルーヴがプンスカしながら、間違ってないよね?と改めて口にすると
 「そうだな。本当にグータラゴロゴロなら、怠け者だぁね。間違っちゃぁいない。」
 シンが苦笑しながら認める。が、そのシンへマサトが気遣わし気に視線を送り
 (まずいんじゃねぇの?親に対しての生意気口を容認しちゃぁ)
 と、目で訴えるも
 (反抗期かも)
 と、シラっと口パクで応える。
 シンの口パクを、その場にいる殆どのメンバーが理解したが、微妙な空気は変わらず…言い出しっぺ状態のカズキの、居心地の悪さも全く改善されない。

お買い物 11

 「あの…イツキさん達は、この後も時間あります?」
 キョウコが、テーブルに突っ伏するカズキをほったらかしで脇へ置き確認を取るように尋ねる。問われたイツキが、目で真意を尋ね返すと
 「折角だから、せめて今日の内にルーヴに初水遊びをって思って…。私達は日がある内に帰れば、取り敢えずは叱られずに済みますし。」
 と、提案してくる。
 「水遊び?それってイコール『初水着』?」
 カズキが立ち直った様にムクリと起き上がり、横から首を突っ込んでくる。
 「ううん。『初水着』は、また今度。初プールなり、初泳ぎなり…日を改めた方が良いでしょ。私は、少しでも水に慣れておいた方が良いんじゃないかって思って。今日なら…『目』が多いから、色々と安心かなとも思うし。」
 目が多いと何がどう安心かは丸っ切り理解不能ではあるが、殊『遊び』となったら否やのあろうはずの無いカズキ。分かっていない点は脇へ置き、うんうんと頷いて賛意を示す。
 イツキはキョウコの提案に耳を傾け、一旦考え
 「願ったり叶ったりな提案なんだけど…。実は今日、ルーヴを母親に会わせようかと思ってて。久し振りだろうし、折角総本部まで来てるし、ね。」
 申し訳なさそうに断る。キョウコも理由が理由なので気にすることなく、むしろイツキが言い難そうに口にしたことを、逆に気にかけて恐縮する。
 「いえいえ、気にしないでください。そちらの都合も考えずに、勝手に考えただけですから。お母さんと合う方が大切ですっ。」
 「そっか。寮に居て…そのままイツキさん達の所に来てたんだっけ。どれ位振りだ?」
 マサトが『遊びはまた今度』『この後はルーヴがお母さんに合うのが最優先』『蒸し返そうとするんじゃないゾ』と匂わせながら、ルーヴに話しを振る。
 「うーン…とぉ。」
 尋ねられて、改めて、指折り数えるかのように考えるルーヴ。
 「にこ…二か月ぶリ。」
 「そりゃ…『久し振り』になるわな。元気にしている所を見せないと。」
 ルーヴの返事を聞いたシンが、ダメ押しの様に遊びを『再否定』する方向で話しに加わる。
 「ンだぁね。ルーヴは随分と細いけど、二か月前に比べたら『お肉』付いたんでしょ?びっくりスんじゃね?お母さん。」
 トシが『遊びダメ⇒了解』とばかりに、更に『ルーヴのお母さん話し』へと話題を振っていく。
 「二か月程度だと…身長の違いは分かり辛いけど、『肉付き』は結構簡単に分かるからなー。」
 「お泊りはダメなの?そこはお母さんへのペナルティ?」
 「お泊り駄目でも、久し振りなんだし…甘えちゃえばいいんじゃね?ルーヴの歳なら、少しぐらい甘えたって罰は当たんないっしょ。」
 お兄ちゃん達やお姉ちゃん達が全員揃って、話題を『ルーヴをお母さんに会わせる』方向へ進める。
 暫く会っていない母親へ、気兼ねなく合わせてやるための気遣いでもあるが、『遊び』に反応を示したカズキへ『諦めなさい、蒸し返すな』と暗に仄めかす為の牽制も兼ねている。



お買い物 10

 気を取り直して、笑い過ぎで涙をにじませつつ注文し、気分を仕切り直して…では、ルーヴの初水遊びはどうするか?と打ち合わせ態勢に入る。
 「学校でもプールの経験無いんだよね?」
 と、カズキが問えば
 「総本部で…水遊びしたかい?あそこは水がたっぷりあるけど。」
 イツキが更に確認を取る様に尋ねる。
 「ぅーん…?降っテくルの手デ受ケたり、…川?デ…足…チョっと、ツケたりした。」
 「学校では…カリキュラム的に、まだ、プールでどうとかまで行ってないはずだから、経験無しってなるね。」
 ルーヴの返事を受けてイツキがまとめて答える。
 「じゃぁ…ルーヴって、風呂より深い所って経験してない?」
 トシが、今気づいたと尋ねれば、ヤスノリも続けるように尋ねる。
 「深さだけじゃなく…広さとか…は?」
 イツキが暫く考え…考え…考え…て
 「うんっ。風呂が最大、最深。」
 きっぱり答える。
 「確か、学校の寮でも…風呂はなかったはずだ。部屋にシャワーが付いている位で。」
 皆がホーホー成程と納得していると、カズキがボソッと呟く。
 「なんでお風呂ないのぉ?こんなにお水あるのに。」
 『水の町』って言ってもいいぐらいに凄いじゃん。
 「街にはあるよ。一般の家にもある。学校の寮には無いってだけで。」
 イツキがはっきりと違いを示すと、まだ納得のいかないカズキが粘る。
 「だからー、寮にもあったっていいじゃーん。部屋ごとが無理なら…銭湯の小さいのみたいに、男湯と女湯と作ればいいじゃんっ。なんでしないの?」
 「湯船に浸かるだけって言う習慣の人と、湯船に石鹸溶かして泡立てて入る習慣の人と、お湯に浸かるなんて…それなんて拷問?って習慣の人と、お湯ん中で洗濯しちゃう人と…っているからだよ。」
 イツキがこれ以上なく具体的に提示する。と、尋ねたカズキが力無く頽れテーブルに突っ伏する。
 「使い方を無理矢理統一する訳にもいかないか。」
 ヒロがカズキを宥める様に言うと
 「うん。後ね、溺れちゃう人が出るかもしれないだろ?それは絶対避けたいからねぇ。後…火傷が怖いけど、…ソレは大丈夫か。部屋のシャワーは一番熱い温度でも38度だったかな?おっきなタンクでシャワー用に溜めてあるんだけどね。ソレが40度位だったはず。タンクが破裂しても…取り敢えず火傷はしないで済むかな。あとはぁ…オミや俺とは何の繋がりもないんだけど、やっぱり人前で裸になるのに、強い抵抗を感じる人も居るから。」
 って事で『部屋シャワーが一番』ってね。
 とイツキにダメ押しをされ…これ以上無いって程に脱力し
 「お風呂…気持ちいいのに…。
 カズキが小さく呟く。

お買い物 9

 シンの頭を注視したままポケラと突っ立っているルーヴに気付いたオミとカズキが、こっちへ来て座りなさいと身振り手振りで指し示し、それを合図としたように同じく気付いたお兄ちゃん達もルーヴへ座るよう促す。
 皆に促されるまま大人しく座ったルーヴへ
 「どうしたの?なんか…不思議な物でも見えた?」
 カズキがUFOでも見つけたか?ぐらいの軽いノリで尋ねる。
 (頭にネコ乗せて、フツーにしている人は『不思議』だと思うけど…。)と思いつつも流石に言わず
 「う…うウん。別ニ…。」
 言葉を濁す。が…視線は、どーーーーーしてもシンの頭へ。
 チラチラと、ルーヴの視線が一か所へ向くのに気づいたカズキが疑問に思い、その視線を辿るようにそちらへと目を向けると…。
 頭にタイガーを載せ、フツーにしているシンの姿が目に入る。
 見慣れてしまったカズキは、何がどうしてそんなにルーヴの気に掛かるのか全く理解できなかったが、一瞬の後、気付いてしまうと堪える間もなく大笑いしだす。
 「うはははははは…っ。そーだよね、不思議だよね。なんか…妙だよねっ。」
 ハヒハヒ息を切らせながらも笑い続け、言葉を続けるカズキ。そのカズキの笑い声に、それまで何を注文するか話し合っていたお兄ちゃん達やお姉ちゃん達が、不思議そうな表情をしながら一斉にルーヴとカズキを振り返る。
 「カズキ?一体、突然…どうしたの?」
 皆の視線がそう尋ねる。
 その場の誰にとっても、既に当たり前の状態であれば気付き様も無く、笑い転げるカズキの様子が、逆に不思議と感じられてしまっても致し方ない事ではある。
 「シンちゃんの頭のタイガーが…っ。世間一般では…どう見えるか…っ、考えたぁ?」
 お腹を抱えて笑いながら、切れ切れに、訴える様に答えるカズキ。
 言われて初めて考える。
 『人の頭に猫がいる』。
 それも、日本人の高校生にしては体格も良く、笑うと懐こい印象を与えるとはいえ、どちらかと言えばキツイ印象を与える造作の顔をしているシンの、短髪の頭の上で、小さい猫が…全力でリラックスしている。
 そして、乗られている方も一向に意に介している様子が無い。
 序でに…その状況に慣れっこになっていて、不思議とも変とも妙とも思わなくなっている自分(達)の姿。
 と来ては…。

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