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最上部にて…

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よろしくネ 1

 オミの大技(?)にド肝を抜かれたりしながらも、向日葵畑予定地の手入れを済ませた数日後。
 ルーヴもここでの生活に幾分か慣れた様子で、イツキの家事の手伝いをしたり、タイガーと遊んだり、畑へオミと収穫に行ったり、苗として育ててから植えた方が良いと勧められた『向日葵苗』を育てたり、予定地に畝を整えたり、イツキが出かけるからとオミと一緒に留守番をして、(主にキッチンを)しっちゃかめっちゃかにし、帰ったイツキに大きな溜め息を吐かれたり…と、先ず先ず平和に過ごしている。
 予め立てた『生活予定』など、本人はもとより大人二人さえ綺麗さっぱり忘却の彼方ではあるが、早起きはしているし手伝いもしているし元気に遊んでもいるので、何か忘れている気もしないでもないが…キニシナイキニシナイ。
 と、暢気に過ごしていたが…ルーヴが時折遠くを見つめて小さくため息を吐くようになる。尤も、直ぐに気を取り直したように、それまで続けていたことを再開するのだが…。そんなルーヴの様子を気にかけていた或る日の夕方、リビングでタイガーと遊んでいたルーヴが、風に揺れる木の影につられるように外へ目を向け小さく溜め息を吐き、直ぐに気を取り直したようにタイガーとの遊びを再開する。その様子を目にしたイツキとオミは、以前よりずっとルーヴのホームシックを気にかけていたので、直ちに確認を取るべく声を掛ける。
 「ルーヴ?もしかして…なんか寂しい気持ちになってる?」
 オミが問いかけるが、ルーヴは気を使っているのか首を横に振り否定する。
 「んー…良いんだよ?別に。お父さんやお母さんと…。」
 離れているんだから…と続けようとしたが、『お父さん』と言う単語が耳に入った辺りでルーヴの表情が一瞬変わったのをイツキが目ざとく気付き
 「お父さんが気になる?どうしているか知りたいかい?」
 生育環境から母親をこそ気に掛けると思っていたイツキだが、予想が外れた事をおくびにも出さず穏やかに尋ねる。
 「…オ父さン、手紙コない。元気かナって…。」
 ルーヴは気付かれては隠しておけないと諦めて、だが言ってしまって良いものか、自分に対してこれ程までに良くしてくれているのに失礼ではないかと悩みながらもポソポソと答える。
 「元気は…元気らしい。報告を受けた限りでは、ね。」
 イツキの歯切れの悪い答えに、ルーヴが怪訝な表情をすると
 「ひたすらボイコットしているらしくて…ね。なぁ~~~~んにも遣ろうとしないんだって。食って寝て、起きて、又食って…ゴロゴロして過ごして、食って寝る。を、ひたすら繰り返しているんだって。」
 オミの返事にルーヴが目を丸くしていると
 「だけど、まぁ…具合を悪くしているワケじゃぁ無いって。だからまぁ、元気は元気。」
 呆れた様子を見せながらも、務めて明るくイツキが後を続ける。

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むかぁ~し昔の事じゃったぁー… ⑧

 銀色の髪の子に堂々の宣言をした数日後、翠色の髪の子はテーブルを挟みスミレ色の瞳をした女性と話している。先日の、銀色の髪の子が口にした『悪い事』や『悪い人』『髪の長さ』『服装』『下賤』等々…を相談し、説明を受けている。
 「服を買えないのかって聞かれてね。」
 「あの子の国では、上着の裾が短かったりスリットが深いと『市民』って事になるらしいの。肉体労働を多分に含む『労働者階級』って事ね。」
 「…だから『買えない』か。ビンボって思ったって事ね。髪は?短いと何なの?」
 「罰を受けた犯罪者って事らしいワ。」
 女性が言い難そうに伝えると
 「へ?」
 一瞬何の事か理解できなかった翠色の髪の子がキョトンとする。
 「罪を犯して罰を受けた場合、髪を短く刈り込んじゃうらしいの。場合によっては…丸刈りもあるらしいわね。比較的軽い罰らしいけど。」
 ま、でも…他にも刑罰は色々あるんでしょうけど…。ため息交じりに続ける。
 「じゃぁ…俺は、罪を犯した労働者階級出身者って事?だから『下賤』?」
 怒って問い質すという口調では無く、単に確認として尋ねる翠色の髪の子。
 「そうなるわねぇ…。私もだけどね。」
 言い難そうにため息交じりに肯定した後、最後の一言を悪戯っぽく付け加え、改めて口調と姿勢を正し
 「あの子の所では、髪は上の立場になればなるほど長くするのよ。で、編まない、纏めない、髪飾りはつけないけれど額飾りはつける、とか。髪を編んでいたり髪飾りをつけるのは、お城とかにあがって…所謂『家政』を担当する人達らしいワ。『政』…政治に関わる人は、やっぱり編まないらしいし…額飾りをつけるらしいの。」
 『らしい』『らしい』ばっかりでご免なさいネ。又聞きだから…どうしても、ね。スミレ色の瞳をした女性が、すまなそうに付け加える。
 「そういえば、あの国って女性が全部やるんだっけ。男女の立場が逆転してるんだったよね。」
 翠色の髪の子が思い出したように話すと、女性もそうそうと相槌を打つ。
 「肌も可能な限り見せないようにするし、身体のラインが分からないようにゆったりと重ね着するし、でも首や胸元はしっかり隠しているし…手だって見せないように袖が長いし。って、アンディーが当時見てきた様子では、ね。立場が上になればなるほど徹底していたそうよ。」


子育て? ⑳

 やる気になると早いのが『子ども』の特性の一つで、ルーヴもご多聞に漏れず…。取り敢えず、とシャベルとつるはしを見比べ、どちらを使うべきか首を傾げる。
 「最初はシャベルで良いと思うよ。」
 オミが声を掛けると、それではと改めてシャベルを手に取る。
 「掘った土はこの辺に積んで置いてね。ある程度溜まったらオミがどかしておくから。」
 自分の傍らを指し示すと、ルーヴが分かったと力強く頷き早速掘り始める。

 ルーヴがあっという間に集中して掘り始めたので、オミは『大掛かりな天地返し』用の砂利や有機ごみを集めに回る。
 暫く後、一通り集めて離れた場所にそれぞれ積み上げ、ルーヴの様子を見てみると既に腰まで掘り進めている。
 「早いねー。頑張ったね。暑いし疲れたでしょ?少し休もう。お茶とオヤツあるよ。」
 と声を掛けルーヴを穴から引き上げる。ルーヴが掘り出した土は、オミが後で脇に移動させると伝え
 「手と…顔も洗おうか、汗だくになってる。いっぱい頑張ったね。」
 と、少々離れた泉へと連れて行く。
 「生水だから飲むとお腹痛くなるかもよ。手を洗って顔も洗って…何なら首回りも洗って、お茶にしよ。」
 オミが声を掛けるが、ルーヴは顔を洗おうと覗き込む形になった際に、水中で泳いでいる小さい魚を見つけ目が釘つけになる。
 「サカナー…。」
 ルーヴが目を真ん丸にして伝えると
 「んー?あぁ、どこからどうやって来たんだか…住み着いてるんだよねぇ。気になる?場所変えようか?」
 オミが苦笑しながら問い掛けると、ルーヴは首を横に振りながら此処で良いと答え、手や顔を洗いながらも泳いでいる魚影を好奇心満々の姿でじっくりと見つめている。
 暫くの間、ルーヴにじっくりと魚の様子を眺めさせ、(オミの性格では掴みにくいであろうはずの)タイミングを見計らって声を掛け、向日葵畑予定エリアへと移動し雑談を交わしながら休憩する。

 一息ついた後、オミがルーヴの掘り出した土を脇へよけ、続けて周りの、広くとった予定地の土をまるで削ぎ取るように、ルーヴの掘った所と同じぐらいの深さとなる様に掘る。掘り出した土を先程と同様に脇へ積み上げる。そしてルーヴへ、先程の場所を更に掘るように促す。手にしたつるはしを不思議そうに見つめるルーヴに、注意すべき点と使い方を伝え、傍らで様子を眺めるオミ。ある程度砕いた所で声を掛け、砕けた土を外へと取り出す。次に杭とハンマーを持たせ、やはり注意点と使い方を教え、頃合いを見計らって、砕けた土を取り出す。
 「オミが思っていたより硬かったねぇ…。ゴメンね。」
 申し訳なさそうにオミは謝罪の声を掛け
 「ここから先は、オミが周りと一緒に掘るね。」
 と続け、ルーヴを安全圏へ移動させる。
 ルーヴが、避難した安全圏からポヘっと眺めると、辺り一帯で自分が3人縦に並んだ位の土が一気に持ち上げられる。持ち上げられた土が、軽く土埃を挙げながら予定地の片側に積み上げられるのを、目を真ん丸にしてみていると、オミがあっけらかんと
 「じゃ、先に進めようか。」
 笑顔で振り返りながら声を掛けてくる。

子育て? ⑲

 さて畑予定地に着くと、オミが早速原っぱに生えている雑草を刈り、刈った雑草をライン状に並べ、畑予定エリアを囲って見せる。
 「この内側を向日葵畑にしようと思うのね。」
 余りの早業に、目が点になっているルーヴへ声を掛ける。
 「でね、土は硬いし痩せてるしで、一から準備をしないとならないんだけど、ルーヴの故郷の荒地で、オミの能力無しで畑を作ろうと思ったら、多分もっと大変だと思うのね。だからルーヴは、そのための勉強と思ってね。」
 うんうんと頷いて返事をするル―ヴ。広さに圧倒されてか、若干表情が強張っている。
 「えー…とぉ、ココのは、オミ、手伝うから…ね?」
 誤解させているようだと見て取ったオミが、少々不安気に一言ずつ区切って、念を押す様に声をかけると、ルーヴは安心したらしくはにかんだ笑顔を見せる。オミも、誤解をさせていたが幸いにして解けたようだと判断し、不安がらせたみたいでゴメンねと笑い掛ける。
 「で、ルーヴには…この内側をやって貰おうと思うんだ。」
 先程刈り取った草で囲った内側に、更に小さい囲いを描いて見せ、その2メートル四方程の囲いを指し示す。
 「『天地返し』って言うんだったかな?ソレの大掛かりなモノをするから、一旦深く掘るんだけど…ルーヴはここを、1人でだけど…出来るだけ掘って欲しいんだ。」
 出来るかな?問いかける様にルーヴを見ると、ル―ヴは微妙に自信なさそうな表情をし、困ったような目をして見せる。
 「ソコ以外はオミがヤっちゃうから。で、ルーヴは『もう無理、頑張れない』って所までヤって欲しいんだけど…?」
 「アの道具ヲ使って?」
 不安そうな様子ではありながら、前向きな問いをするルーヴ。
 「うん、そうだよ。そのために持って来たんだし。それに『もう無理』ってなったら弱音吐いて良いんだよ。怒らないし、オミがその後をヤるから。」
 怒りっぽい父親が居たなと思い出し、不安そうなのは出来なかったときに怒られることを危惧してかと考え、不安感を取り除くべく宥める様に話しかける。
 「頑張っテ見る。」
 少し悩んでから、呟くようにルーヴが答えると、オミは目一杯の嬉しさを笑顔で表し
 「うんっ。無理ってなったら言って良いからね。頑張ろうね。」
 声にも同じように表す。


子育て? ⑱

 畑で収穫した野菜や果物を持ち帰り、朝食の準備をしているイツキを手伝うルーヴ。
 タイガーの食事の支度をしていたオミが戻り、三人で朝食を摂る。
 「向日葵畑を、レンゲ畑の隣の原っぱに作ろうと思うんだけど…どう?」
 「レンゲ畑の隣???」
 オミが提案した場所を、具体的に思い浮かべられないイツキが不思議そうな顔をする。
 「レンゲ畑と藤棚があって…つつじとオシロイバナが群生してて…ちょっと離れると、菜の花と桜があるところの原っぱ。」
 オミは、隣接して植わっている花や木の名前を挙げて、場所を伝える。
 「あーあーあー…はいはい。いいんじゃね?って、なんで原っぱが残ってんの?」
 「ちょっと地面が硬いから。面倒臭かったから自然に任せてた。」
 オミの返事に、そんな場所で初心者に?と怪訝そうな表情を見せるイツキ。
 「ルーヴの故郷は、もっと堅そうだし。練習になるじゃん。」
 「あぁ、成程ね。」
 詳細の分からないルーヴが大人しく食事を進めている脇で、2人で話を進める。

 季節柄、午前中ならば日が差していてもそこそこ涼しく過ごせるので、その時間を優先的に向日葵畑作成に充てようと、朝食後、早速準備を整える。
 シャベル、ツルハシ(?)、細めの鉄製杭(?)と小型ハンマー(?)、帽子、タオル、軍手、大きい水筒、ネコ皿、ネコおやつ。
 (???コレなんだ?)ルーヴがつるはしを手に首をかしげていると、オミが後ろから声を掛ける。
 「硬い土を砕くのに丁度いいかと思って。」
 ほぅほぅ成程と頷きながら、すぐさま鉄製の杭を指さし目で問い掛ける。
 「すんごく硬い土を砕くのに使えるかな?って。」
 杭を打ち付けて砕けたところを掘り起こせ、と暗に仄めかすオミ。
 シャベルはまだしも、ツルハシや杭やハンマーと『畑作り』が繋がらないルーヴは、ひたすら首を傾げる。
 「ルーヴの故郷の荒地はあそこよりもっと堅いだろうから、故郷で畑を一から作るって思って作業しようね。オミもちゃんと手伝うから、一人で全部やらせたりなんてしないから安心してね。」
 オミが微笑みながら声を掛け安心させる。
 「じゃ、タオルを首にかけて帽子被って手袋しようか。この季節、紫外線凄いよー。油断するとスグだよ、スグ。日に焼けてとんでもない状態になるよー。」

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