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最上部にて…

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海で遊んだその後は… ⑤

 「おぉ、回ってる回って…落ちた…。」
 一同揃って、何故か正座をし一点を見つめている。
 「また回って…落ちる。当たり前といえば当たり前なんだけど…。」
 回って落ちる、回って落ちる…の繰り返しに合わせ、一同の後ろ頭が上がって下がる

 フェイスマスクまみれの様子に脱力したイツキに洗濯を勧められ、
 「まだ何泊かするでしょ。」
 「洗っておけば予備が出来るでしょ。」
 の言葉に、一旦は遠慮したものの
 「洗濯機が横向きで蓋が透明だから、普段とは違う洗われっぷりが見れるんじゃない?」
 というオミの言葉に陥落。
 いそいそと下着以外の洗濯物を持ち出し…揃って先程の状態へ。

 「タイガー、取れないから。」
 「見慣れてるんじゃぁ無いの?タイガー?」
 「そんなに気になる?」
 一同と共に洗濯機の前に陣取り、透明蓋にへばり付きながら動く洗濯物を捉えようと、アチラでぺしぺしコチラでたしたしするタイガーにカズキ達が声をかける。
 「ニャー。」
 傍らのカズキを見て、訴えるように声をかけるタイガー。
 「うん、取れないねぇ。見えてるのに…。」
 「ナーゥ。」
 再び透明蓋をぺしぺし。
 「気になる気になる…。」
 「ナー。」
 「うん、取れないんだよ、見えるだけで。諦めようねぇ。」
 不満げなタイガー。
 だってココにある、動いてる。と言いたそうにカズキをチラチラ見ては透明蓋に前足をかける。
 「だから、見えるだけなんだよぉ。今開けたら水がこぼれて濡れちゃうから我慢ねぇ。」
 カズキの言葉に、ん?と反応するタイガー。
 前足を蓋にかけたまま一声鳴く。
 「え?なに?どうしたの?大真面目な表情して…。カズキなんかした?」
 「ナーナー…。」
 「なんにもしてないけど、じゃぁ…なんかマズイ事言った?」
 「ナーゥ…ッ。」
 「え?『こぼれて濡れちゃう』?」
 「ナー…ッ。」
 「正解なようだ…。」
 タイガーの表情と鳴き声や鳴き方から推測するカズキ。
 「だって、さっき『ジャァーッ』って水入ったじゃない、ソコに。タイガーも一緒に見たでしょ?ほらコレ、お水でビッシャンビッシャンってなってるじゃん。」
 蓋越しに指差しながら洗濯物の状態を説明するカズキ、とカズキの話が分かっているのかいないのか、指差しに合わせ透明蓋に視線を向けるタイガー。
 いやいやいや…いくらなんでも通じないだろ…。
 『お兄ちゃん達』の心の呟きを無視し尚も説明するカズキ。
 「だからね、今蓋開けて中の物に触ろうとすると、お水がジャバーッって零れて、床が水でびしゃーってなって、タイガーも一緒にビチャビチャになっちゃうんだよ。」
 通じたのか、難しい顔をして足下を見つめるタイガー。
 「ナャーゥ…。」
 一声鳴いてカズキの膝に座り込む。
 「うん、お利口で我慢しようねぇ。」
 「ナァー。」
 タイガーは、カズキへ『お目々ぐりぐり』状態で応える。
 いや、ソレはカズキをびちゃびちゃの盾にしようとしてるのでは…?
 『お兄ちゃん達』の疑念。
 「ナャーナャー…。」
 カズキに対し声をかけながら、前足を洗濯機ヘ向けチョイチョイするタイガー。
 「ダメだよー。タイガーが無事でも、床は無事じゃぁ済まないからねぇ。」
 「ゥナーゥ…。」

 洗濯機の前で正座している一同の後姿を眺めながら
 「どうしよう…。俺、なんか妙なもの見てる気がする。」
 深刻そうに呟くイツキに
 「大丈夫、オミも見てるから。幻覚じゃぁないよ。」
 オミはあっさり同意する。
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海で遊んだその後は… ④

 「あぅぅぅ…また食べすぎちゃったぁぁ~…。」
 キョウコが後悔をたっぷり含ませて呟く。
 「ここに居る間に太っちゃうかしら?」
 カズキがふざけて茶化す。
 「いや、冗談じゃなく、本当に太りそうな気がしてきたワ…。」
 大真面目に返すキョウコ。
 「?昨日も言ったけど、気にする程太ってないでしょ?胃が大きくなっちゃうのが困るって言うのは分からなくもないけど…。」
 「太った女の醜さを、まさかご存知でない?」
 女性のある種の怖さを漂わせつつキョウコが問う。
 「太って醜いのは男の下っ腹だと思いますっ!」
 思わず敬語になるオミ。
 オミの言葉に『下っ腹プクプクの男性の図』を想像し、尚且つビビる超能力者の姿に思わず噴出す一同。
 「オミさぁ~ん。激強よ超能力者のクセに、超能力無しの女子高校生に迫力で負けてどーすんのぉ?」
 「カズキ君。こうゆうのに超能力者云々は関係ないんだよ。」
 カズキの嘆きに、真顔で大真面目に返すオミ。
 「女性は『美』を追求する生き物だから。『美』を追求している真っ最中の女性には逆らったらダメ。」
 オミが真剣な表情で付け加えると、カズキはオミの真剣な様子を呆気に取られた表情で見つめてしまう。
 「って、キーちゃんが言ってた。」
 「……っ?」
 「だから同意するか、否定するにもベクトルを変えなさいって。」
 「…あ゛…っ?」
 オミが余りに真剣に口にするので、カズキは流石にオミにも女性とのお付き合い云々の経験があるんだと、半ば真剣に耳を傾けていただけに、実は受け売りだと明かされた時の気持ちの落差は大変大きく…
 「カズキの『感銘』を返してっ!」
 思わず悪態を吐く。
 「感銘って…。カズキ、こらっ!」
 苦笑を堪えきれない表情のままシンが注意する。
 尤もオミは一向に意に介さず
 「あ、そーだ。保湿保湿。このままだと突っ張っちゃう…。」
 日焼け肌のスキンケアに勤しむ。
 「保湿ってオミさん、化粧水とか持ってるんですか?」
 「フッフッフッフ…、甘いよキョウコちゃん。オミはフェイスマスクを使用し、アロエで保湿、尚且つワセリンでカバーします。ちなみにアロエはそこらに生えてます。」
 「ふぇいすますくぅー?」
 「これ。」
 と言いながら、目と鼻と口部分が丸くくりぬかれた『白塗りお面』の様なブツを指し示す。
 「まず、アロエのゼリー状の物を直接、日焼けしたところへこれでもかっと塗りたくります。ついでに、多分きっと日焼けしたであろう部分にも塗ります。」
 と言いながら、日焼けして赤くなった部分を優先しながら顔全体へ塗りまくり
 「次いで、このフェイスマスクで一旦押さえ、馴染ませます。」
 と、手に取ったフェイスマスクをペタっと顔へ貼り付ける。
 「オミは手の甲も…ちょっと日焼けしちゃったから、手の甲にも塗りたくります。で、しばし待機。」
 「はぁ…。」
 キョウコとミヅキは、オミの勢いに少々呑まれ気味の様子で、呆けた相槌しかうてないで居る。
 「どうぞお使い下さい。」
 「はい。お言葉に甘えて使わせていただきます。」
 オミの申し出に、思わずへりくだる。
 男子組はと言うと
 (美を追求しているのは、他ならぬオミさんの方じゃね?)
 と思いつつも口に出せず、スキンケアの様子を興味半分照れ半分で見守っている。

 「しばし待機の後マスクを外し、上辺をざっと洗い流すか濡れタオルでか~るく拭き取り、再びゼリー状の部分を塗ります。」
 暫らくボ~っと過ごした後、オミはそう言いながら席を立とうと腰を上げる。
 「ちょっと待っててね。先にざっと落としてくるから。」
 「は~い。あ、確かそこに洗面所がありましたよね。借りて良いですか?」
 「あぁ、いいよ。じゃ、タオルの予備持ってくるから待っててね。今手元に無いでしょ。」
 「はい、お借りします。」
 オミが席を外すと、カズキが興味津々とミヅキに訊ねる。
 「染みてる感とかある?」
 「ある。じわぁ~って。」
 「へぇ…。アロエすげえ。」
 「凄いのは、こうゆう事知ってるオミさんだと思う…。」
 ミヅキが小さな声で訂正する。
 「……確かに…。」
 思わず納得するカズキ。
 「ワセリンってこの後使うのか?なんの効き目が目的なんだろ?」
 「カバーって言ってたけど…。」
 カズキが不思議そうにワセリンを見つめながら呟くと、ミズキが先程のオミの言葉を思い返しつつ応える。
 「タオルど・ぞ。そろそろ軽く落としても良いんじゃない?」
 ボソボソと話していると、顔を洗ったオミがタオルを持って戻ってくる。
 「あ、ありがとデス。じゃ、一旦洗ってきます。軽く落として、又アロエをぬるんですよね?」
 「そそ。今度は薄くていいから塗りなおして、ワセリンでカバーするの。」
 「カバー?覆うって事?なんで?」
 丁度良いタイミングで丁度良い話題とばかりにカズキが問う。
 「蓋をするんだよ。保湿しても蓋をしないと、肌が乾燥しちゃうからね。フェイスマスクしっぱなしだと鬱陶しいし。」
 「ほー、なぁるほどぉ…。ワセリンで蓋って事か。」
 感心しきりなカズキ。
 「そそ。ワセリンも薄~~く塗るんでOK。アロエもワセリンも普段の乾燥肌ケア程度なら、どちらかを一回で充分なんだけどねぇ。日焼けしちゃったし…赤くなってるの目立っちゃってるしっ。」
 だからちょっと念入りに、ね。
 と、カズキに応えている間に女子二人が戻ったので、少々補足を加えるオミ。
 「と、いう事で…オミは塗ります。」
 塗り塗り。
 「染み込むのを待ちつつ、ワセリンを少量取り手のひらで温めつつ伸ばし…大抵ここいら辺りでアロエが染み込むので…、温めて伸ばしたワセリンを日焼け部分に薄~~~く塗ります。うす~~~~~~くでOKだからね。」
 と、やり方を説明しながら顔の日焼け部分に塗り、思い出した様に手の甲にも塗っていく。
 女子二人も真似して塗り塗り…。
 その様子を興味深げに見ている男子組。
 「こぅゆぅのってホントに効くんですか…?」
 半信半疑のシンが、角を立てないように気にかけつつも不思議そうに訊ねる。
 「効きますっ。少なくともオミには効いてます!」
 シンは、断言するオミの勢いに押されて一瞬呆けてしまう。
 「シン君も塗ってみれば?随分と赤くなってるよ。」
 呆けたシンの顔を、まじまじっと見つめながらスキンケアを勧めるオミ。
 「へ?いや…俺は、べつに…男ですし…。」
 突然の勧めにシンが慌てて断ろうとするが、慌てていたものだから付けなくて良い一言を付けてしまい、オミに突っ込まれる。
 「オミだって男ですっ。」 
 そのやり取りに他の男子組はシンの動揺を見て取り、面白がって悪乗りをし始める。
 「やってみれば?」
 「代表して。」
 「鼻や頬骨?顎先なんかも結構赤いし。」
 「耳んトコも赤いよ。」
 シンがオミの突っ込みに対応出来ずにいるところへ、調子に乗ってやいのやいのと囃し立てるように勧める。
 「まぁまぁ、遠慮せずに。」
 オミも悪乗りし、動揺しているシンが皆に押さえ付けられたのを良い事に、シンの頬や鼻、顎先へとアロエのゼリー状部分を塗っていく。
 「いや…あの…俺は…。」
 拒もうにも拒み切れずに塗られていくシン。
 塗り塗り。
 「…って…あれ…?」
 スキンケア = 化粧 = 女性のする事 と捉えているシンは、テレもあって拒んでいたが、実際に塗られると、考えていたものとは少々違うと感じ軽く動揺する。
 「?どうしたの?」
 シンの様子が、僅かながら変わった事に気づいたカズキが訊ねると
 「おぉ、染みてる…気がする。」
 シンは思いも寄らぬ感動の一言を洩らす、が慌てて取り繕う様にオマケを付け加える。
 「染みてる?」
 確認するように再び訊ねる。
 「…染みているような感じはする…。」
 否定したくとも、事実、自分がその様に感じている以上誤魔化せないシンは、正直に、とは言え心理的抵抗を僅かに残しつつ答える。
 「へぇ…。」
 男子組は思わず感心し、オミの手元のアロエの葉を見つめる。


 人のいる気配は有るが、その割には随分と静かな感じのする居間へ、シャワーの浴び直しをしていたイツキが顔を出す。
 「なぁ、君等…。」
 声をかけつつ部屋へ入ったイツキは、思わず自分の目を疑ってしまう。
 「なんでしょう?」
 応えつつ振り向いたカズキは元より、他の男子全員が ――
 「イツキさん?」
 「どうしたんです?」
 「固まっちゃってませんか?」
 「イツキさん?大丈夫ですか?」
 ―― 顔にしっかりフェイスマスクを付けている……。

海で遊んだその後は… ③

 「ご飯だよー。」
 カズキが居間にいる一同へ声をかける。
 「あ・やべ。手伝わなかった。」
 シンが手伝いをサボったと気にすると
 「マーちゃんがここぞとばかりにやってたぁ。」
 カズキはスープを注いだり、サラダを盛ったりしました。
 さり気なく(?)アピールするカズキ。
 カズキの声で、急いで日焼け痕の手入れのアレコレを片付けるオミ、キョウコ、ミヅキ。
 「いくらなんでも、氷乗っけて食事するわけには行かないよねぇ。」
 オミがポソっと呟くと、カズキが思い出したとばかりに訊ねる。
 「ちょーのーりょくで治せないの?日焼け。」
 「治せるよぉ。でも、急ぎってワケでもないのに…って、キーちゃんによく言われるから…。」
 急ぎなら構わないけどもそうでないのなら駄目がなぜ成り立つのか、全くもって理解不能のカズキ。
 「駄目は普通ダメだよねぇ。急ぎならいいってなんで急ぎならいいんだ?どの辺から急ぎって認められるんだ??」
 尤もな疑問だ。
 「周りが時間を割けられる状況に無いとか、時間をかけたら命に関わるとか、時間をかけている間五月蝿くてたまらんとか、そういう時はヤっていいって言われるね。」
 ほうほう成る程…と納得しかけて、最後の理由にハタと気付く。
 あれ?今回…つぅかほぼ毎回、最後が当て嵌まるんじゃね?じゃ、なんで駄目なんだ?
 とは言え口に出す訳にもいかず、微妙で妙で変な表情をしてしまうカズキ。
 「時間的に余裕があるなら、不便を学べって事じゃね?」
 ヤスノリが口を挟む。
 あー、成る程!
 今度こそしっかり納得するカズキ。
 最後の部分に対して、コッチ(イツキ)が(不便を)学んでどうしろって?学ぶべきは当人(オミ)だろ、という事だと解釈する。
 「この、さっきからずーーっと漂ってる香りがカレーってヤツ?」
 トシがカズキに確認を取る。
 「そうそう。いい匂いだよねぇ。」
 「レシピも~らおっと♪」
 「スパイスの香りだよねぇ。おいしそー。」
 ワイワイと食堂へと向かう。

 「カレーポット無いから、鍋から直接盛っちゃってねー。」
 「「はーい。」」
 「ご飯よそって…カレーをかけるっと…。」
 「『福神漬け』や『らっきょう』なる漬物を添えて食べるらしい、けど好みがあるだろうと思って別皿に盛ってあるから、好きなら取りなね。」
 「「は~い。ってラッキョウは、モノは知ってるけど…、ふくじんづけ??」」
 「この赤いのらしい…。」
 完成図として、作り方の参考にした料理本の添付写真を覗き込む一同。
 「へー。」
 「成る程。食べてみよっと。」
 「オミはらっきょうはパスでっ!福神漬けは食べるけど。だから、しらばっくれてオミの皿にラッキョウを乗せようとしないでっ!」
 エヘヘー。
 悪ふざけをするカズキ。
 「実はカズキもラッキョウは苦手だけどね。」
 コソっとラッキョウ皿に戻そうとすると
 「こーらっ。一旦取ったものを戻さない。」
 行儀が悪いとヒロに注意される。
 「しょうがねぇなぁ。食ってやるからコッチに寄越しな。」
 食べ物で悪ふざけをしたのが悪いのだが、苦手なものなだけに躊躇すると、注意したヒロが見かねて助け舟を出す。
 「へへへー、ごめーん。ありがと。」
 流石にバツが悪く、笑ってごまかしつつ申し出に甘える。
 「ところで、何故揚げ物まであるんです?」
 ヤスノリがサラダの傍らに置かれた揚げ物の盛られた皿を目にし問う。
 「ん?他のカレーレシピを見たら揚げ物付きのカレーとかあってさ…、昼に使ったヤツで日持ちしなさそうなヤツが悪くなっちゃうなーって思ったりしたんで……。片すの手伝ってね。」
 「はぁ…。一向に構わないんで、前向きにお手伝いしますね。」
 「サラダのコノ赤いのと黄色いのってナンです?」
 シンがサラダの盛られた皿を覗き込んで訊ねる。
 「赤ピーマンと黄ピーマンのスライスだよ。苦味は少ないから食べてみて。」
 「ピーマンきらーい。」
 数々の好き嫌いを公言するオミ。
 「おめぇの日焼けの為に急遽追加したんだよ。アセロラジュースも飲めよ。」
 煩く騒がれたくない自分の為でもあるがそこには触れず、ドスを効かせ脅すように口にするイツキ。
 「アセロラ…すっぱい…。」
 最後まで言えず、軽く不貞腐れつつ不満を表す。
 「日焼けの為?」
 キョウコが反応する。
 「日焼けのお肌のスキンケアにはビタミンCが良いらしいんだよね。」
 「日焼けには…ビタミンC…。」
 イツキの言葉を呟きながらサラダとドリンクに目を向けるキョウコとミヅキ。
 「なんてステキ

海で遊んだその後は… ②

 シャワー後発組みが、先程の騒ぎを話題にしつつ居間へ顔を出すと、そこではソファーの背もたれに頭を預け、顔を仰け反らせつつ目の下や顎先にガーゼを当て、そこへ氷を乗せているオミの姿が…、良く見ると手の甲も同じ様にしている。
 「オミさん?それ…一体…?」
 ヤスノリが驚いて声をかける。
 周りを見回すと、苦笑を浮かべたトシ・マサト、キャットタワーの上でわざとらしくそっぽを向くタイガーの姿。と、オミの姿同様のミヅキ。
 「?どーしたの?二人は何やってんの?」
 「ぅーん…。美肌?」
 リョウが不思議そうに訊ねると、表現に困ったトシが疑問形で答える。
 「び…?」
 「あーーーっ!分かったっ!!あたしも混ざるぅーっ!!ガーゼの予備と氷、あったら貸して下さいっっ!」
 キョウコが勢い込んで頼み込む。
 「そこにあるよー。お好きにどーぞ。」
 口を余り動かさずにオミが応える。
 『そこ』と言われたのでヒョイと脇のテーブルをみると、ガーゼが入っていると思しき箱とアイスペール、畳まれたタオル他数品が置かれている。
 「肩や腕や足なんかは、部屋でやってねー。オミに見えるところでやらないでよー。」
 脱力し切ったオミが、まったく締まりの無い口調で続ける。
 「はーい。取り敢えず『顔』に対処しまーす。」
 キョウコがミヅキの隣に座りつつ応え、いそいそと準備する。
 「えーと…で…?」
 全く分かっていないシン・リョウ・ヤスノリ。
 「だから…美肌…。スキンケア。お手入れ。」
 トシが当てはまりそうな表現を挙げる。
 「あ、日焼けの…。」
 やっとシンが理解する。
 「ミヅキとキョウコ姉が、って言うなら分かる…。」
 けどなんでオミさんまで…?
 オミ云々は目線と表情で問うリョウ。
 「ちょっと日に焼けただけで、火傷したみたいになっちゃうんだって…。」
 自分の事では無いが、困ったような表情と口調でトシが、リョウの『口にしなかった問い』に答える。
 言外に『それ以上訊くな!』と匂わせつつ…。

 一方キッチンではカズキがウキウキワクワクと軽く興奮している。
 「いい匂い~~。コレを後で溶かして、鍋に入れるんでしょ?」
 「そうだよ。鍋に直接だとダマになっちゃうだろうからね。」
 イツキの説明にエヘエヘヘーと嬉しさを隠し切れない笑顔で応えるカズキ。
 鍋の傍らにおいてあるザルを目にし
 「なんで、お芋は煮ないの?他の材料はもう煮てるんでしょ?」
 疑問をすぐさま口にする。
 「あぁ、それは…。あまり早くに入れて煮溶けちゃうと、約一名が五月蝿いから…ね。」
 『約一名』に合点がいったカズキは、あぁうんそ・だねと頷き、重ねて確認を取る。
 「じゃぁお芋は、入れて火が通ればOKって程度しか加熱しない?」
 「ウチでは、ね。その辺は好きにアレンジしちゃえばいいでしょ。材料も色々変えられるみたいだしね。」
 フムフムと頷くカズキ。尤も直ぐに首を傾げるが…。
 他の材料ってナンだ?
 「茄子やらチキンやらシーフードやら、ね。本日はジャパニーズカレーの王道中の王道、ビーフカレーだけど。」
 「茄子…。へー…。」
 味も完成図も想像できないので、驚くだけのカズキ。
 「イツキさん、イツキさん。なんか手伝いましょうか?」
 マサトがタイガーを抱えて、暢気に顔を出す。
 「タイガー連れてきちゃったけど拙かった?ご機嫌斜めで不貞腐れてたからさぁ。」
 「タイガーが機嫌悪いのは、お風呂に入れられちゃったからだよ。」
 「あぁ、風呂ね。そーいや騒いでたね。それ、サラダの準備ですか?俺も切るの手伝います。」
 イツキが人参を三つに切り分けているのを見、タイガーを下ろしつつ『やらせろ』と言外に匂わせ名乗り出る。
 「千切りですよね。切るのは鍛えられてるんで少しは役に立ちますよー。」
 手近に合ったエプロンを身に付けつつ、手を洗い包丁を手に取る。
 ちなみにカズキは『見てるこちらが怖い』と言う理由で、切る系、焼く・炒める・揚げる・煮るの加熱系は手出し不可と言い付けられている。
 「カズキもやりたい…。」
 ポソッと呟くと、マサトから即座に
 「止めろ。」
 ダメ出しを食らう。シクシクシクシク…。
 「やらなきゃ出来るようにならないじゃんかー。」
 至極尤もな言い様ではあるが…
 「練習は家でやれ。」
 間髪いれずに却下される。
 「ちぇーーーーっ。あんまりだよねぇ、タイガー。」
 「…ニャーゥ…。」
 おざなりな返事をされる。
 「なんだろ、この『ぅん、そ・だね』感…。タイガー?」
 タイガーの返事の理不尽感に不平を唱えるカズキ。
 「…ンーー…ニャー…ァン…。」
 「『あーもぅ煩いなー』って言われた気がする…。」
 ショックを受け呆然とするカズキ。
 マサトとイツキは、必死に苦笑を堪えていて応えない。
 「タイガー、酷いよぉ。」
 タイガーに訴えるが
 「ニャゥン。」
 仕種・表情・口調で完全否定される。
 「あぅぅぅぅ~~…。」

海で遊んだその後は… ①

 デザートを食べた後本日の遊びおさめと、約2時間ほど泳いだり潜ったり漂ったり…。
 日も随分と傾いたのを合図に賑やかに帰宅し、塩気や砂を落とそうとそれぞれが風呂へと向かう。
 一足先に戻っていたイツキがキッチンで夕食の支度に勤しんでると、
 「だーーーぁっめっ!タイガー!こらっ!お利口してってば!にーげーなーいーっ!」
 「ニャーーァッ!ニャッ!ナァーーッ!」
 一階の自室風呂辺りから、オミの声とタイガーの抗議の鳴き声が響いてくる。
 どうやらタイガーを風呂で洗おうとしている様子。
 「もぉっ!しょっぱいでしょ。ゴワゴワでしょ。ザラザラでしょ!洗って落とさないと病気になっちゃうからっ!」
 「ニャッ!ニャニャッ!」
 お風呂嫌いのタイガーが全力で抵抗している模様。
 「砂のところでゴロゴロしちゃったのが悪いんでしょっ!」
 「ナァーーゥッ!ニャッ!ナーーーッ!」
 日焼け防止用の猫服を着ていたとは言え、砂浜の砂からは守って貰えなかったようで…。
 「いい加減諦めなさぁいっ。」
 「ミニャーーーーーァァ……ッ!」
 タイガーの大きな拒絶の鳴き声。
 その後微かに鳴き声が聞こえて来たが
 「……ニャァー…ァァ…ァ…。」
 抵抗むなしく…。

 暫らく後、濡れそぼったタイガーをタオルに包んだオミが、支度に集中していたイツキの元へやってきて、
 「キーちゃぁ…ん。タイガー乾かすの代わってぇ…。」
 見るとオミも随分と濡れている。
 「あらら、タイガーは随分と抵抗したみたいだな…。」
 「もぉ…大変だったよぉ…。着替えるついでにオミもシャワー浴びたいから乾かすの代わって。」
 タオル包みタイガーを差し出す。
 タイガーはずっと、同情を引こうとするかのように悲しげな声で鳴いている。
 「ん、分かったから、早く浴びてこ…い…。」
 言いながらオミの顔を僅かに凝視する。
 「?なに?どうしたの?改まってまじまじと…?」
 「あ…いや。タイガーは乾かしておくから、シャワーでも風呂でも済ましてきな。」
 タオル包みタイガーを受け取りながら、わざとらしく目を逸らす。
 「ぅん。じゃぁ、頼むね。」
 オミはイツキの態度に腑に落ちないものを感じつつもさっさと着替えたいので、タイガーを預けると深く追求せずに部屋へと向かう。
 イツキは、その場を離れるオミを躊躇いがちに見送り独り言ちる。
 「ま、鏡を見れば気付くか…。」

 イツキが居間に移動しドライヤーでタイガーを乾かしていると、先にシャワーを済ませた組がヒョコっと顔を出し、乾かされているタイガーへ入浴後のドリンクを飲みながら声をかける。
 「あー…タイガー、さっきすっごく騒いでただろー。そんなに風呂イヤかぃ?」
 トシが面白がった様子で声をかけると
 「そうそう、聞こえたよタイガー。山ほど文句言ってたでしょ。」
 カズキも同意する。
 「ニャァーゥ。ニャニャ、ナーォ。」
 ドライヤーを掛けて貰いながらタイガーが言い訳をするように鳴く。
 「そぉぉんなに、イヤなの?」
 ミヅキが真剣に問いかけると
 「ンナーゥ。」
 肯定する様に大真面目な表情で応えるタイガー。
 「さっぱりして気持ちいいもんじゃないの?」
 マサトが訊ねると
 「ナァーゥ?」
 首を少々曲げて不思議そうな表情で返事をする。
 「さっぱり感、嬉しくないの?」
 カズキが重ねて問う。
 「ニャッ。」
 真剣な表情で短く答える。
 「へー…。やっぱり猫と人間だと違うんだねぇー。」
 カズキが本気で納得する。
 その様なやり取りを微笑みながらイツキは聞いていたが、流石に
 「いやいや、カズキ君。タイガーの言ってること分からないでしょう?」
 口を挟む。
 「タイガーの言ってることは分からないけど、表情で何を言おうとしているかは分かります。」
 大真面目に答えるカズキ。
 「ニャーナーナァー。」
 タイガーもイツキに、なにやら真剣に訴える。
 「タイガーはカズキ達の言ってる事が分かるんでしょ?」
 「ナー。」
 カズキの問いに大真面目に答え、肯定の意を示すタイガー。
 「ほら。タイガーは分かってるって。だったらさっきのはちゃんと合ってるよ。」
 カズキは無邪気に意思の疎通が図られたと主張する。
 「ナー。」
 イツキに対しはっきりと、カズキの意見への同意を現すタイガー。
 「はぁ…、そぅかい…。」
 半信半疑のイツキ。
 その様な態度のイツキへ、カズキが不満を述べようと口を開きかけると
 「ぎゃぁーーーっ!!なにこれなにこれ?なんでーぇーーっ!」
 風呂からオミの悲鳴が響き渡る。
 「どうしてさっ!」

○っぱー参上!

 先日、お世話になった課長が他部署へ移動との事で
 『壮行会』(兼新人歓迎会)が行われ
 ひさぁ~~しぶりに「飲み」参加したワケですが…。

 ぃゃぃゃまわるまわる
 酒ってこんな簡単にまわるっけぇ?
 な位まわりまして…

 ふだんなら30分と少々で帰れる距離を
 1時間かけてしまいました。
 
 まわりまくって途中下車しちゃったり
 したものですから…。
 (だからって駅員さんに世話を掛けたりはしていません)
 
 ぃゃ、これはやっぱり
 適度に飲んでおくべきですね。

やっぱり海だよね ⑩

 シンが眺めていた写真本から顔をあげると、皆がうたた寝をしている。
 「あれ?皆いつの間に寝たの?カズキやオミさんも寝てる?」
 キョロキョロと周りを見回す。
 「うん、オミも寝てるねぇ。タイガーが膝で寝ちゃったから、起きていられないんでしょ。」
 イツキが雑誌から目を上げて応える。
 タイガーが膝で…って、あー『眠り猫効果』か。
 うん、それは勝てないね。
 納得するシン。
 大体、皆(オミ以外)は海で泳いだりして遊んでいたし、タイガーですら波と追いかけっこをして(オミはただ立って)いたし、そのうえ昼食をタップリ食べ、自分たち以外人のいない静かな海岸で、聞こえるのは波の音と風の音、林の木々の葉擦れの音ばかりと来れば、訪れるのは強力な睡魔と相場は決まっている。
 そーっと席を立って、皆の気持ち良さそうな寝入りっぷりを見て回る。
 「(ひらめいた)」
 シンはいそいそと荷物に載せる様に置いておいたカメラを手に取り、起こさない様細心の注意を払って一人一人の寝顔を写真に収め始める。
 中学生計5人プラス高校生2人プラス……小学生と大人と猫。
 オミとタイガーとカズキの寝顔は、それぞれ一枚づつのモノと二人一緒のモノと、二人プラスネコを一枚に収めたモノを撮る。
 「フフフフフ…。後でブッ飛ばされそうな気もするけどねー。」
 いいのが撮れたと嬉しそうにする。
 カメラを元の場所へ戻し、さてと、と気持ちを切り替え砂浜を眺める。
 「イツキさん、貝殻とか、いいのあったら土産代わりに持って帰っても良いですか?」
 「んー?土産代わり?」
 土産では無く土産代わりとはなんぞや?と一瞬考え、まぁ確かに土産には不似合いだと思い至る。
 「そぅだね、殻ならいいんじゃないかな。活きてる貝だとちょっとアレだけど。」
 まぁ、死ぬしね、腐るしね。活きてるのじゃね。
 「じゃ、遠慮無く。さっき掘ったらポロポロって見つけたんで…。」
 良いのあるといいけどなぁ~。
 シンは暢気に波打ち際目指して歩いていく。
 そのシンの後姿を見送ったイツキは少々慌てて、手元付近を目で探す。
 ≡ 帽子、被りなさい。 ≡
 イツキの声が頭に響くと共にどこからともなく現れた帽子が、シンの頭に乗せられる。
 「あ…と、どーもぉ。」
 振り返って礼代わりに軽く会釈をし、すぐに波打ち際へと歩を進めなおす。

 早速あちらで掘り掘り、こちらで掘り掘りと貝殻探しに熱中する高校生の姿をイツキが眺めつつ
 ぅん、だったら小学生のカズキ君が、好奇心に負けるのも尤もだ。
 と、思わず納得してしまう。
 シンは、と言うと、その様なイツキの考えなどお構い無しに、無心にあちらで掘り掘り…そちらで掘り掘り…。


 オミが自分に注がれる視線に気付き、ふと目を開くと、目の前にカメラを構えたマサトの姿が…。
 びっくりして背もたれから身を起こすと
 「あー…失敗…。起こしちゃった。」
 マサトが残念そうな表情をしながら、構えていたカメラを下ろす。
 「失敗って…しっぱ…。」
 起きぬけなのと驚きすぎたのとで頭の回らないオミ。
 「撮ってないですよ。今まさにシャッターを切ろうとしたところで、オミさんが起きられたから。」
 マサトの言葉を疑ってかかるオミの耳に、少々離れたところから茶化す声が聞こえる。
 「ドジー。」
 「だから狙っちゃダメなんだって。」
 「構えたら直ぐ撮らなきゃ。」
 狙われたのが他人の寝顔だと思っての、無責任な発言の数々…。
 その声の中シンはというと、傍らのテーブルに夢中になって拾ってきた貝殻やガラス片等を散らかした様に置きつつも、相変わらず写真本を眺めている。。
 ずーっと起きていたであろうイツキも、皆の様子を面白がって微笑みながら眺めている。
 二人とも、『現像されてからのお楽しみ』というつもりらしい。
 オミは勿論、イツキやシンの企みなど一向に気づいていない。
 ただ単に、寝ているところを写真に撮られそうになった、油断してガッツリ寝てしまった事に対して少々ヘソを曲げているだけである。
 そんなオミの膝の上でモソモソと動くタイガー。
 「…ナー…。」
 んーーっと伸びをしつつコロコロと寝返りを打ち、ピョコっと顔をあげオミを見て
 「ニャ。」
 おはようと言っているかのように一声鳴く。
 「はい、おはよう。お水飲む?」
 流石に、タイガーに対して八つ当たりをするわけにもいかないオミは、タイガーの顎の下をコショコショしてから抱え上げ、隣のカズキを起こさないように気を付けつつ、飲み水の準備をしようと腰を上げる。

 「これどうしたの?拾って来たの?」
 オミが自分も飲み物を貰いながら、テーブルに広げられた貝殻を指し示し訊ねる。
 「えぇ、シンが拾って来たんだそうで。結構色々ありますよね、大きさとか色とか。」
 と傍らに居たマサトが答える。
 「宝探しみたいでしたよ。諦めようかなって思うと綺麗なの出てきたりして、暫らく止められなかった…。折角だからざっと洗って砂落としちゃったし。」
 一人だけ目立って赤味の強まった顔で、ニコニコしながら機嫌よく応えるシン。
 「『宝探し』…か…。成る程ねぇ。」
 夢中になって掘っていたシンの姿を知っているイツキが、思わず納得する。
 「結構良いカンジに集まったって思わない?」
 シンが自画自賛すると、
 「オパヨー、皆なに見てるの?なんでカズキを起こしてくれないの?コレなーに?どーしたの?」
 先程まで寝ていたカズキが乱入する。
 「皆起きてたんなら起こしてくれてもいいじゃない。どーして起こしてくれないかな?」
 お目覚めドリンクを受け取りながらも、一人だけ除け者扱いされたとむくれるカズキ。
 「で、コレどーしたの?どこで見つけたの?」
 矢張りカズキもテーブルに広げられた色も形も大きさも様々で、中々にバラエティーにとんだ貝殻やシーグラスに興味を示す。
 「そこの砂浜。」
 シンがソコと指し示す。
 カズキは示された砂浜をボヘっと眺め、見当も付かないと首を傾げる。
 「こんなに色々埋まってたの?」
 「埋まってたねー。波打ち際を狙って掘ったら出て来たよ。」
 「へー…。」
 カズキ、好奇心を刺激された模様。
 「あぁ、そうだ、シン君。」
 イツキが今気付いたとばかり声をかける。
 「貝殻持って帰るなら、一応除菌しときなさい。臭い消しにもなるだろうし。後、そのままだと白っぽくなっちゃうと思うから、イヤなら保護材や艶出し材を塗った方がいいんじゃないかな。」
 除菌、保護材、艶出し…。
 えー…と?
 首を傾げるシンにミヅキが手を上げてみせる。
 「はい、ミヅキ。」
 「お金かけないなら漂白剤に浸して乾かした後、マニキュアのトップコートを塗ればいいと思いまッス。」
 元気に答えるミヅキ。
 「マニキュアのトップコートなんか持ってるワケねぇだろ!」
 前半はふむふむと聞いていたが、女家族は母親しかいないシンは後半に対応できないワケで…、渋い表情で却下。
 「シンちゃんが持ってたらネタに出来たのに…。」
 不穏なことを口にするミヅキ。
 「お・ま・え・はぁっ!」
 エヘヘー。
 全く悪びれない。
 「ねね、シンちゃん。これ最終的にどーする予定?」
 「へ?えー……どうしよう…かねぇ…?」
 獲る事に夢中になって、その先のことは全く考えていなかった模様。
 「じゃぁ、素材としてアタシにちょーだい。」
 「素材?なにする気だよ?」
 何も考えていなかったシンは、キョトンとしながら訊ねる。
 「フッフッフッフ…。な・い・しょ。無駄にはしないからぁ…ね?」
 「いいけどさ。艶出しだの保護材だの、アテはあんのか?」
 「へへー。一応。」
 一連の話しの流れがカズキの頭の中で以下の様に変換される。
 貝殻拾う ⇒ お姉ちゃんが細工する ⇒ なんか良さ気な物が出来上がる ⇒ じゃ、カズキも拾わなきゃ。
 何を作るかなんてミヅキはひとっ言も口にしてはいないのだが…。
 「カズキも探してくるから作ってー。」
 『思い付く』と『行動する』がほぼ同時のカズキ。言うが早いか波打ち際目指して走り出している。
 「え?あ…ちょっ…、カズキ君っ!」
 イツキが大慌てで声をかける。
 「デザート食べない?」
 聞こえた途端に急停止&Uターン。
 「食べるーっ!」

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