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最上部にて…

コメントは公開設定となっています。 公開に抵抗のある方・長文となる方はメールをご利用ください。 又、コメント・メール共に必ずお返事できるとは限りません。 予めご了承ください

上からぁ~…

 サイトさんとかをうろちょろと眺めさせて頂いているワケですが
 コメ欄等も読ませていただいたり

 で、最近(?)気付いたのが
 他者のコメに対しての
 「長文を書くなとは言わないが『推敲』くらいしろよ」
 の書き込み

 この → 『推敲』 ← なんですが
 書き込んだ本人が行ったところで
 自然と脳内補完されてしまうので
 あんまり意味ないんですよね
 その時・その場で出来るのは
 せいぜい誤字脱字の修正くらいで…

 少々時間を置けば脳内がリセットされるでしょうから
 少しは推敲も可能でしょうが
 そもそもサイトのコメ書き込みに
 わざわざ時間をかけますかね?
 それに「推敲しないとならない程わけわからん」
 なコメでもなかったりしますしね
  

 大体『推敲』の語源となった故事の方だって
 ひたすら悩みに悩んで
 他者に具体的な理由付きで助言を頂戴して
 その上で『決定』してますしね

 で、誤字脱字の修正は
 『推敲』と言わないでしょうに

 きっと『推敲』なんて言葉を知ったから
 使いたかったんだろーな
 こんな事しってる自分ってスゲエ
 って事なんだろーな
 自分でも知ってるのにコイツときたら…
 って言いたいんだろーなぁ
 って思ってます
 (ひっくるめて省略すると「マジうぜえ、何コイツ?何様?」になりますが…。)

 えぇ、リアルで…
 生暖かく見つつも
 冷ややかに思ってます

 仕事で、自分の報告書等に同じ事をエライ人から言われた
 八つ当たりって可能性もあるけど
 で、その時にこの単語を知ったとか
 意味と使いどころが違うけどな

 「じゃ、なんて言うんだよ。」って?
 『ググれ!カ○』
 (知○袋に相談ってのもあるね)

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お仕事前 ⇒ お仕事後

 「ねぇキーちゃん?」
 オミが座卓に行儀悪く顎を乗せた姿勢で声をかける。
 「んー…?」
 「オミは、似た話を…ついこの間キーちゃんから聞いた覚えがあるんだけど?」
 その辺どうよ?と目で問う。
 「んー…俺も、似た話をつい最近お前に話した覚えがある。」
 メモから顔を上げずに答えるイツキ。
 「同じ人の話し?」
 「さぁ?どうだろうねぇ…?金持ちも旧家も、日本には結構いるみたいだからねぇ。当然、地元密着旧家も。」
 「そう言えば…なんで日本だけそんなに残ってるんだと思う?日本だって被害にはあってるじゃん。」
 「土地に根付いて暮らしていく国民性が強いって、むかぁ~し聞かなかったか?」
 「だからって…人口も結構多いし、以前の政治体制に似た様なのが続いてるし…。つか、内乱みたいなの起きた様子もないし。なんで?」
 「他の国じゃぁ内乱起こりまくりだもんなー…。国つぅか地域?平和に暮らしている土地もあるけど、規模で言ったら集落程度が多いしな。」
 「なんでだろー?」
 顎を載せていた座卓に、今度は突っ伏して額を押し付けながら問うオミ。
 「さぁねぇ…。自治能力の高い国民性なんじゃね?」
 イツキは、気のない返事をしつつ腰を上げ
 「コーヒー淹れるけど?」
 声をかける。
 「飲むー。」


 「―― …ってね、日本はどうして国内が荒れずに済んだのか、不思議だって話していたんですけどね。」
 帰り支度を整えたイツキがオミの支度完了を待つ間、様子を見に来た跡継ぎの少年に、上記の話しの後半を話題にして話しかけている。
 「んー…保守的だから、では無いでしょうか?自分は、そう思っています。」
 「保守的だと国内が乱れないかね?」
 イツキが不思議そうに首をかしげながら尋ねる。
 「極端な変化を嫌うんですよね。否も応もなく変えられそうになると、強い反発を感じて。で、以前の状態に戻そうとするんです。」
 「フム。でも、ここぞとばかりに変えようとする人だっているでしょう?以前の状態に不満のある人なんかは、変化を有り難がると思うんですけどね。」
 「えぇ、そうでしょうね。でも、多分、戻そうとする人の方が多いんだと思うんです。日本では、大勢を得られないと…。」
 「大勢…。」
 「賛同者が少ないと…受け入れられません。それと、我を押し通そうとする人も無理ですね。折角の協力者が離れて行ってしまいます。」
 「……世の中には武力制圧って言葉もあるんだけど…?」
 「下に就いても構わないよ、っていう人達無しに制圧と言われましても…。」
 少年の言葉に首を傾げてみせ、よくわからないと表すイツキ。
 「国民無しに国も政府も成り立たないですよね?だ~~れも居ない所で『自分が大将だ』って言っても意味がないわけで。一人でやってなさい、ってなってしまう。」
 イツキが少年の言葉に納得の表情をみせる。とは言え、疑問も同時にイツキの中で頭をもたげるが。
 「治める相手がいてこその…って事ね。でもさ、自分が治める側になりたいって望む人が二人以上いたら争いは起こるよねぇ?」
 「えぇ、ですから…結果的には力のある方が治める形になります。日本の場合だと…大抵守旧派が勝ちますね。」
 「えー…と。そこで武力制圧とか、恐怖政治とか、弾圧とか…あるワケなんだけど…?」
 「ただでさえ人がボロボロ死んでいってるのに、ですか?」
 「あぁ…全滅回避か。」
 「えぇ。人が…アチラでもコチラでも死んでいっている中、武力とか弾圧とか、恐怖政治ですか?そんな事をしたら、治めるべき人がいなくなってしまう。大体、その状態で武力でぶつかったら…消耗戦でしょう?力のない側、少数派が敗れますよね。」
 「あー…えー…っと?日本の場合、大抵の人がそう言った事に気付くって事かな?殆どの人がそうなるってわかっているから、避けようとする?」
 「避けようとすると言うか…避けさせると言うか。それに『力』と言い『パワー』とも言いますが、何も物理的なものダケを指しているわけでもないんですし…。」
 イツキが再び不思議そうな表情を見せる。
 「人望も力です。財力も力です。影響力も力です。発想力も力。思考の柔軟性も力になりますね。後、行動力とか。日本は保守的な人が多くて守旧派を求めますが、頑固な石頭は敬遠されますし。」
 「はぁ…日本は、そっちを求めるのか…。」
 だから、他の地域に比べて内乱が起きにくいのかと…納得する。
 「だからって、争いが起きないってことはないんですよ?普通に起こります。ただ…あまり徹底した形での争いは…起こりにくいかと。」
 「どちらかが潰れるまで、みたいな形にはなりにくいと?」
 「えぇ。大抵の場合、双方が共に嫌がります。あ、後、それと…。」
 「?」
 「欲しがっているものを与えてくれる方に付く、っていう面もあります。」
 「食料とか精神的安定とか。」
 少年が悪戯っぽい微笑みを浮かべながら付け加える。
  ―― って言う事は…この家は民意の総意でもって治めるべくして治めている、と ―― 昔言ってたとおりの事が、いまだ続けられているってことかいっ ―― 。
 イツキは流石に表情には出さないが、納得する。

お仕事前 ⑤

 一人残った次期当主の少年から聞き出した婚約破棄の理由 ―― 。

 「実はその…二転三転しまして…。」
 少年は言いにくそうに口を開き、順を追って話していく。
 最初は、相応の年齢になったら婿に入ることになっていたこと。
 妹が体の不調を訴え、あちこちと手を尽くし伝手を頼って診察を受けさせたこと。
 当主交代が親族間で取りざたされたこと。
 不調理由がはっきりした時には、症状が進み且つ手を出せないと診断されたこと。
 この時点で当主交代が決定したこと。
 当主交代決定に伴って、婚約条件の変更(婿入りを嫁取りへ)を打診し応じて貰えたこと。
 条件変更に伴い、新たに同じ相手と婚約し直したこと。
 相手が事故に巻き込まれ、リハビリが必要な大けがを負ったこと。
 リハビリが大変な上、思うように進まなかったこと。

 「ウチは…地元の方達の…ガス抜きの様な役目を負っているんです。日々の暮らしの、不平や不満・愚痴などを…母に零していくんですね。で、気を晴らして、又いつもの生活に戻っていく。嬉しい事や楽しい事なんかも話しに来て頂けるんですが…やはり愚痴などの方が、割合として多いんです。」
 少年は、自身の家の地元での在り様も付け加えて説明する。
 「お二人もその点はご存知だと思うんですが…。ウチに…母に話すことで憂さを晴らすというか、満足するというか…。話すことで自己解決する方もいらっしゃるようですが、主に『聞く』『耳を貸す』『諭す』『宥める』等が母の役目みたいなもので。嫁に入ると言う事は…将来的に母の役割を継ぐ立場となります。少なくとも現時点では…。」
 一旦口を閉じ、すぐに又開く。
 「可能でしょうか?大怪我をし歩けなくなったヒトに…愚痴、零せますか?嫁とのアレコレや、姑とのアレコレ。親や子に対するアレコレや…配偶者に対する不平不満。仕事の愚痴や、加齢からくる体の不調やその愚痴。」
 「話し難いと思うんです。何しろ聞いて貰おうと思ったその相手は…思うに任せられない自身の身体と年中付き合っているワケですから。弱音を吐くにも、吐きにくいと思うんです。」
 「でもそうなると、不平不満や愚痴が溜まって行きますよね。自身の身の内に。それは…マズイと思うんです。海がアノ状態になっているからっていうだけで無く、望ましくない状態にすべきでは無いと思うんです。」
 「今まで、この土地の皆は、ウチで愚痴を零すことで、心の平穏…って言ったら大袈裟ですが、落ち着きを取り戻していたと思うんです。ソレが思うに任せられなくなったら…シンドイだろうと思うんですよね。皆が、ウチに零さなくても対処出来るようになったら、ウチは『お役御免』になるんでしょうけれど…。今はまだ、その時では無いと思われるんです。皆が必要としているのに、コチラが手を引っ込める訳には行きません。」
 垣間見せる、『大災厄』以前から続く家の、その跡取りの自覚と覚悟 ―― 。
 「それに…ヘタをすると、コチラの皆に気を使われてしまいます。ヒトによっては腫れ物に触れるかのような態度を取るかもしれません。それは、アチラも本意では無いでしょう。基本、明るくて快活で優しくて…良く笑う娘なんです。リハビリは上手く行きませんでしたが、どちらかと言えば前向きですし。腫れ物扱いは、彼女を捻じ曲げてしまう…。」
 それは、自分としてもこの家としても全く持って不本意なので、非はこちらにあるとして婚約を白紙撤回させて貰ったと続ける。
 「ただ…やはり女の子ですから、傷付けてしまっただろうと思うと申し訳なくて。早くいい人が見つかると良いんですが…。」
 少年がここまで話すと、それまで黙って聞いていたイツキが、確認を取るように尋ねる。
 「嫌い合って別れたンではないワケですし、連絡とか取り合っていたりするんですか?」
 「えぇ、時々。好きな人ができたら教えてくれるように伝えています。全面的に応援するからって。」
 話しが変わった事で、それまでとは打って変わった様に、笑みを浮かべ朗らかに答える。
 「自分は、結局のところ…彼女より家を取った様なものですから…。後ろめたくって。彼女の元に早く良い人が現れないかな、と。以前の様な明るい娘に少しでも早く戻れたらなって。そうなったら、少しはコチラの気も晴れますし、安心できますから。」
 自分の気を楽にしたいからって、相手にそういった事を望むのは…やっぱり、卑怯なんでしょうね。
 少年は苦笑しつつも、自らの心の内を隠すことなく口にする。

お仕事前 ④

 「ねぇ、キーちゃん。」
 床に仰向けに寝転がった姿勢でオミが声をかける。
 「アレってさぁ…理由になるの?」
 「んー…?アレ?って、あー…婚約破棄か?って、こらっオミッ!行儀悪いっ!!」
 蝉が忙しなく鳴いているとはいえ、二人に提供されている離れでは、時間から隔絶されたかのようなまったりとした空気が流れている。タイガーは風の通りが良く、尚且つ日陰となっている外廊の一部を占領し昼寝に興じ、オミは畳を満喫するかのように寝転んでいる。イツキは仕事の後に提出予定の、報告書作成用のメモを書きながら半分上の空で答えたが、ふと目の端に入ったオミの態度に気付き、すかさず注意する。
 「ま、理由にしようと思えばなんでも理由になるワな。」
 「納得するかなぁ?」
 注意されてしまったので、致し方なく体を起こオミ。
 「納得して貰う為に頭下げに行ったんだろ。」
 「それってある意味、脅しじゃない?」
 「まぁーねぇ…受取り様によっては、そうなるねぇ…。」
 再び半分上の空で答えるイツキ。目は手元のメモに向かっている。
 「キーちゃん?」
 ちゃんと聞けと言外に匂わせつつ目を細めるオミ。
 「あちらだって、これ以上ゴネても良い事ないって判断したから聞き入れたんだろ。話しをこじらせたって得るものないって。」
 「でも、さー…。」
 オミ自身が納得していないようで、ブチブチと食い下がる。
 「だ・か・ら、頭下げに行ったんだろって。当人と両親が揃って。慰謝料持って。代理人で済まさずに。」
 「ぅー…。」
 食い下がる…。
 「あのなー…ここの家の両親ってば、普段は別居状態でしょ?母親である女主人はコッチを拠点に地元衆と親しんで生活し、入り婿とは言え対外的には家長の父親は、遠隔地で仕事に明け暮れて…。そんな家の二親が、揃って足を運び、直接理由を伝え、本人共々頭を下げ、慰謝料を提示し、聞き入れてくれってなったら応じる以外ないでしょ?ましてや理由が、嫁いでいく予定だった『一人娘』への配慮も含まれているんだから…。聞き入れないワケにいかないでしょうに。」
 理由を知っているにも関わらず、ましてや自身が婚約を破棄された訳でもないのに全身で不満を表すオミに対し、イツキは呆れたような口調で、この家の常の状況も合わせ、説いて聞かせるように話しをする。
 「大体お前だって、この地域の人達の考え方や在り様や…様子ってモンを知ってるだろうに。この家の人達はソレを嫌って程分かっているから、ある意味彼女を守るために、白紙撤回したンでしょ。」
 「そりゃぁさ、腫れ物扱いはオミだって御免被りたいけどさ、でも、そうなるって決まっているわけじゃァ無いじゃん?」
 イツキの話す内容に一応の理解は示しつつも、それでも納得のいかないオミは、尚も食い下がる。
 「ほぼ確定です。お前も分かっているし、分かっているからこそ関わりを持とうとしないんだろうけど、敢えて言うっ。この地域の人達は、馴染みの無いものに対し、悪い意味で、精神的に一定の距離を取りますっ。そのクセ、興味津々って目を向けて来るんですっ。序でに嫌な感じでアイコンタクトを取り、再び好奇の目を向けてくるんですっ!ヘタすりゃ、コッチを見ながらヒソヒソするんですっ!」
 イツキの言いっぷりに同意の苦笑を浮かべるオミ。
 「で、だ。そんな所に他所から嫁が来て、好奇の眼に晒されないって言えるか?オマケに、足が悪いことをヒソヒソされずに済むだろうか?尤も、ヒソヒソは『よそ者』に対してかもしれないけどな。腫れ物扱いだってお前や俺の眼の色に対して、実際にやってくれるしな。お前なんて性別からして、何度もやられたろ?男扱いすべきか女扱いすべきかって。それも嫌ったらしく、ワザとらしく、しらばっくれながら。」
 話しが、身に覚えのある事柄へと向けられた為、不貞腐れた様な表情を見せるオミ。
 「だからこそ、この家の人は心配して白紙撤回したんでしょー。相手は年頃の女の子だぞ?ましてや『嫁に来る』ワケだ。俺達みたいに仕事で一時的な滞在ってワケじゃぁ無い。序でに言えば不満を訴えようにも、頼りとする旦那は遠隔地で生活だ。そう簡単に伝えられないワな。で、周りはみぃ~~んな『この土地の人』だ。オマケに姑と上手くやっていける保証はないし、土地の人達に対しての愚痴を零すわけにもいかない。悪口を言っているみたいになるからな。五体満足で、この土地の人同士ですら結婚して親世帯と同居ってなったら、色々と問題が起こるもんなのに、『よそ者』『車椅子』が加わったらどうなる?この家に限って言えば、親世帯とは上手く行くだろう。今回はコチラにも負い目があるから尚更な。でもな、それ以上に面倒な、この土地の人達の『好奇の目』に晒されるんだぞ。『腫れ物扱い』もしつこい位にされるだろう、いくら彼女が、気軽に接しられる態度を見せてもだ。で、どっちもとんでもないほどワザとらしくされるんだ。遣らかしている当人には、そんなつもりは全くないのかもしれないし、もしかしたら気遣いのつもりかもしれないけどな。」
 思い当たる点を、傍迷惑だなと溜め息交じりに零しながら付け加える。
 「そうなるって想像がつくから、白紙撤回せざる負えなかったんだろ。『よそ者に対する好奇の目』はまだしも『腫れ物扱い』されるって分かってて、その上で我慢して耐えてくれと相手に求めるワケには行かないワな。大体、最初は婿に行く予定での婚約なんだし?それがこちらの都合で変更になって、その上、失礼な態度に耐えてくれとは…いくらなんでも無理でしょー。ま、言いっぷりは、婚約者より家や地元の人を取ったみたいな形になってるけどな。」
 分かったかい?と、イツキは最後に微笑みながらオミに問いかける。

お仕事前 ③

 オミはタイガーが出先でもリラックスして過ごせるようにと、タイガーがいつも使っているお気に入りのおもちゃを『タイガーのお泊りセット』として持参している。そしてタイガーは、長い月日の間にソレをしっかり学んでいるわけで…。
 部屋の片隅にオミが置いておいた『タイガーのおもちゃ入れ(お泊り用)』箱の中から、気が向いたおもちゃを引っ張り出しては、これで遊ぼーとばかりにオミの所へ持って行き、持ってこられたオミはタイガーのおねだりポーズにコロッと騙され、ついつい相手をしてしまい…。
 「…はぁ、やっと満足?もう充分?」
 床に座り込んで身づくろいを始めたタイガーに、オミが呆れたように声をかける。
 「ナャウ。」
 タイガーが一声答えたのを肯定と捉え、オミが座りながら脱力し
 「タイガー、ほんっと元気だねぇ。」
 苦笑しながら微笑みかけると、身繕いをしていたタイガーが膝元へ来て、オミを見つめながら膝をかる~くテシテシする。
 「ん~…?なに?甘えん坊?」
 オミが問いかけると、タイガーは今度は両前足でグイグイとオミの膝を押し込んでくる。
 「あ、喉渇いた?お水?」
 「ナャ。」
 通じたと喜びを露わにするタイガー。
 「ちょっと待ってねぇ。今汲んでくるから。」
 オミがすっと立ち上がってタイガーの水入れを持ち、離れに備えられているキッチンへと向かう。タイガーは嬉し気にオミの後を追い、キッチンの入り口で覗き込みながら(自宅でもタイガーはキッチンに原則立ち入り禁止とされている為)ワクワクしながらも大人しく座って待っている。
 
 一人と一匹がキャッキャウフフとばかり楽しく過ごしていた部屋へ、営業兼広報業務を終えたイツキが戻ってくる。
 部屋内へ声をかけつつ戸を開け、ふと向けた視線の先には…。
 部屋中に点々と散らばる小物類 ― 。
 「だ…あぁぁーぁっ。なんだっ、コレはっ!オミッ!!タイガーッ!」
 部屋に散らばるタイガーのおもちゃを目にし、怒りと呆れ半々のイツキ。
 「あ、おかえりー。今、タイガーが喉乾いたって。お水あげるとこー。」
 イツキの怒りに気付かぬ風のオミ。(と言うか慣れっこのオミ。)
 「なんでこんなに散らかしてんだよっ。」
 「だって『次はコレしよう』って持ってくるんだもん。すっごい嬉しそうに持ってこられたら『後でねー』なんて言えないよぉっ。」
 『タイガーの水飲み場』と設定した場所へ、水を入れた器を置きながら答えるオミ。
 「『後』じゃぁ無く、『ちょっと』で充分だろ。ソレぐらいタイガーだって待てるだろ。」
 オミはイツキの言葉を、水飲みの許可を得ようとしているタイガーの耳の後ろを掻いてあげながら聞き、少々の間考える。
 「『ちょっと』…?あぁ、『ちょっと待ってね』ね。」
 オミが理解したように口にすると、イツキは肯定するように強く頷く。
 「無駄だよぉ。待ってって言ってその間に仕舞えって言うんでしょ?でも、タイガーはすぐに取り出そうとするよ。出てないとイヤみたいなんだよね。」
 「イヤみたいって…お前ねぇ…。」
 呆れたようにため息交じりに呟くイツキ。
 「でも今なら平気だよ。もう良いって、遊ぶの満足したみたい。」
 「だったら…っ!」
 イツキが怒気交じりに口を開くと
 「分かった、分かった。片すから。って、タイガーに水あげるの優先してたダケだし?喉乾いたっての、ほっとくワケにいかないしー。」
 後を受けたように答えながら、悪態をつくオミ。悪態をつきながらも一応は片付け始める。
 

お仕事前 ②

 母屋の一角にある広間では、地域の寺社代表者と地元衆の代表者及びイツキと、この家の当代と呼ばれる女主人が大きな座卓を囲み、後日行われる通称『御魂送り』と呼ばれる儀式の打ち合わせを行っている。
 儀式そのものは過去幾度にも渡り行われているので、新任者への説明や顔合わせが主な目的となっている為、打ち合わせとは言え事務的な事柄はわずかなので、座は一見和やかな雰囲気に包まれては居る。

 海に面していても、周りを緩やかに、幾重にも重なる山脈で包まれるような地域 ―― 。海に面しているのであれば、港を起点にし、離れた地域の港やその土地・人と接点があるものだが、この地の海では少々沖へ出ただけで、屯っているかのような『くろいモヤモヤ』に出くわしてしまう為、せいぜいが漁を生業とする程度でしかない。
 一旦祓い、その後暫くイツキ達が訪れずにいる間、地元の寺社が協力し合って祓い・浄め・慰めているにも関わらず、増えすぎて重なり合ったり、混ざり合ったりしつつ海岸近くにまで寄って来てしまうので、せめて漁ぐらい安全・安心して行えるよう、傍迷惑なその『くろいモヤモヤ』を過去幾度も行っているように、儀式にて祓わなければならない状態となってしまう。
 であれば、陸路・海路の別なく、半ば孤立したかのように周囲の他の地域との接点が限られてしまうのも致し方の無いことであろう。
 この地に住んでいる人々は、先祖代々この地に生まれこの地で生活をし、あまり遠出をせず且つ他の土地の者たちも余り訪れない。そのためか、他の土地の人との接点が極端に少ないので、イツキ達が数年毎に訪れているとはいえ、見慣れぬ『よそ者』としてつい身構えてしまい、イツキとの同席に、特に新任者は時折緊張の色が浮かんでいる。彼ら新任者にしたら、イツキは『よそ者』で、なにより『超能力者』であれば、思わず身構え、緊張してしまうのも致し方ない事である。
 見かけたその日に元気に声をかけてくる懐っこい子が居る地域もあるというのに…保守的な地域と言えば通るであろうか。

 打ち合わせは、この家の女主人が時折気を効かし場を和ませ、イツキが冗談を口にし、過去に幾度かイツキと接した寺社代表がその冗談を受け、混ぜっ返したりするので緊張の色を見せつつも笑い声のあがる場となっている。

 「ダメだよ、畳でガリガリしちゃぁ。」
 タイガーが畳に爪をかけようとしている所を、見とがめたオミに注意される。
 イツキが営業・広報活動に務めている頃、オミは案内された部屋でタイガーと寛いでいたが、タイガーが畳に興味を示したので、他所の家の畳で爪を研がれては大変と、オミが声をかけたところである。
 「?」
 畳を狙っていたタイガーがナニ?と首をかしげながらオミの方を見る。
 タイガーにしてみれば、爪のかかり具合のいい床程度の認識でしかないので、何が悪いのか一向に理解不能とその表情が語っている。
 「爪が気になるんだったらコッチでやってね。」
 タイガーを抱え上げ、持参した箱型爪とぎへと移動させる。
 「ここは自分の家じゃないんだからね。お利口さんしないとダメなんだよ。」
 オミに注意をされようが、説明されようが、猫のタイガーに理解できるはずもなく…。タイガーは単に、見慣れて使い慣れた『見知った箱』の上に移動させられたので、ここは確かこうすると気持ちが良くてスッキリする所だと合点がつき、言い聞かされたからと言うよりも、ここでガリガリするとスッキリ気分になれるからと、それだけの理由で爪とぎに励む。
 その姿を目にしたオミは、理解してもらえたと勘違いし
 「お利口さんだねぇ、タイガー。いい子だねぇ。ちゃぁんと出来るんだねぇ。」
 褒める。
 対してタイガーは…『だってココでコレするとスッキリするし?褒められてもねぇ…。』程度の表情と態度(で居るつもり)。
 その様子を見たオミは
 「偉いねぇ。本当にタイガーは良い子だねぇ。」
  ―― 通じてない。
 猫と飼い主の微妙なすれ違い。とは言え、両者共に幸せではある。


お仕事前 ①

 暦の上で季節が夏から秋へと変わる頃 ――。
 荒地との境界上空から、近辺の集落一帯を見下ろすイツキとオミ。
 「ねぇキーちゃん、やっぱりここだね。あのパズルの場所。」
 山側に目をやりイツキに声をかける。
 「あ、そうだな。あの辺からかな、撮ったの。」
 声をかけられたイツキは、一旦オミの見ている山側を向き記憶と突き合わせる。が、すぐに海を見てため息交じりに呟く。
 「あぁ…依頼するわ、こりゃ。海、ひでぇ。」
 「何年振りだっけ?相変わらず、地元の宗教関係者じゃ追いつかないんだねぇ。山の汚染は結構綺麗になってるのに。」
 イツキの呟きを耳に、オミも答えるでもなく口にする。
 「相手がしつこいからなぁ…。相も変わらず無能みたいに思われちゃってんだろうね、気の毒に。」
 地元の宗教関係者を擁護する。
 「相応に力があるから、数年とはいえ粘って抑えられるのにね。」
 相手の面倒で迷惑で厄介な面を経験上分かっているオミが理解を示す。
 「お前、絶対に海寄りに近づくなよ。」
 起こりうる被害を考慮したイツキが、冷ややかな視線を向けながら注意すると
 「命令されたって行きませんっ。」
 
 二人は、上空から眺めていた集落の中央部からやや海側に建つ、依頼者の邸宅の門前に降り立つ。
 門前での簡単なやり取りのあと敷地内へと案内され、母屋の玄関から招き入れられる。
 そこで簡単な挨拶を交わし、依頼が完了するまでの間使用するよう提供された離れへと案内される。
 玄関から続く母屋を通り抜け、部屋の外側の廊下を通り、母屋や別棟と繋がる渡り廊下を経て案内された部屋は、過去にも幾度か提供された事のある『離れ』とは言えほぼ独立した小振りな一軒の家の様な建物で、複数の居室の他に小さなキッチンや風呂トイレ、直接庭へと繋がる小振りの玄関を備えている。
 ある程度プライバシーが保たれ、且つ依頼主の住居である母屋や、依頼主の後継者の居所である別棟とは渡り廊下を使えば行き来が楽に行える。又、離れ側では無いとはいえ母屋方向の渡り廊下の先には、この家の使用人が待機する部屋があるので、必要であるなら一声かければすぐに誰かが駆けつけてくる。
 一般的な家より一段高く建てられている屋敷と同様に、こちらも一段高く作られた『離れ』の部屋に入ると、過去の来訪時と同様に部屋の窓も各扉もすべて開け放たれ、丁寧に手入れをされた日本庭園風の庭の木々が、建物を囲うように植えられているのが目に入る。

 案内された部屋で二人が荷物を置き、オミがタイガーのあれこれを整え尚且つタイガー自身に言い聞かせたりと、到着直後の雑事を済ませ一息ついていると、部屋の外から声をかけられる。この家の女当主と、年が明けると共に新たに指名された次期当主の少年が、依頼を受け訪れた事に対し二人に直接挨拶をしたいとの事なので、イツキが気軽に招き入れる。オミは、この手の事は大の苦手としている為、愛想よく応対しているイツキの傍らに大人しく座り、時折軽く頷き、場合によっては、イツキに合わせ深く頭を垂れ、さも対応している風を装い茶を濁す。
 暫く4人で歓談し(オミはイツキに合わせているだけだが)、女当主が新たな来客に応じるため、次期当主を残し渋々と部屋を離れていく。
 イツキとオミは、年明け新たに起った次期当主へ関心を向け、女当主が座を外しているのを良い事に詳細を尋ね始める。
 「正月でしたよね、改めて正式に指名されたのは…。おめでとうございます。って言っていいのかな?」
 「ありがとうございます。お気遣いも恐れ入ります。次期とは言え当主交代はあまり喜ばしくはありませんが…妹がアレでは…。」
 少年は視線を庭の一角へとむける。
 「先ほどチラッと伺いましたが、治療のできない場所だとか?」
 「はい…今の技術では無理だとか。」
 「お二人は…治そうと思えばできるんでしょうか?」
 少年は一旦言葉を切り、すぐさま後を続け尋ねる。
 「出来ますよ。ご依頼ですか?」
 イツキはあっさり肯定し、こちらもすぐに言葉を付け足す。
 「バカ高い料金になりますが、それでも良ければ。」
 言いながらやさしく笑いかける。
 そのイツキの笑みで気づいた少年は、少し恥ずかし気に軽く顔を伏せ
 「いえ。支払いが可能なら、父なり母なりが既にお願いしているでしょう。お二人を以前から存じ上げていて、仕事絡みとはいえそれなりに親しくしていて尚且つ、お金を動かせる大人の二人が依頼しない以上、払える額ではないか…或いは、何か大人の考えがあって諦めたと言う事だと思います。それに対し反抗するにも、自分には動かせる金がありません。」
 はにかみながら答える。
 「金の話なら…正式に次期当主となられたのだから、相応の資産を譲られたと思いますが?」
 「はい、ですが自分はまだ中学生です。自分の財産については、父が相応の人物に依頼して任せる形になっているので、一存では動かせません。普段使う分は、今までどおり小遣いを貰っています。」
 苦笑しながら少年が答えると、その様子を好ましく微笑んで見つめていたイツキは、少年の口にしたある単語から連想された事を、雰囲気を変えて尋ねる。
 「そういえば、『今までどおり』で思い出しましたが、許嫁の方がいらっしゃいましたよね?確か…婿に行く予定だった。嫁に来ていただく形に変更ですか?」
 「あ…いえ、その。」
 少年の表情が硬くなる。その問いを耳にするまでは、畏まっているとはいえ、いくらか表情にも余裕らしきものが見え隠れしていたが、耳にした途端硬く強張ってしまった。その変化を目にした、軽い気分で尋ねたイツキは少々慌てたが
 「破談としました。」
 少年の口から無理やり押し出されたような声音の返事を耳にし、驚いて一瞬目を見張る。
 「ですが、その…嫌だとは感じてらっしゃらなかったですよね?婿入りの事も、お相手の事も。お相手の事は、好ましく思っていらっしゃるように見受けられましたが…?」
 慌てて確認を取るようにイツキが尋ねる傍らで、オミも関心を見せ身を軽く乗り出す。
 「はぁ。婿に行くのは、妹が生まれると同時に決定したようなものですから。ワケが分かっていない年齢の時から『大人になったら婿に行く』と教え込まれていましたし。そういうのもあって、自分にとっては『当たり前の事』でした。相手の方も妙な子ではありませんでしたし。」
 「あー…相手の方は一人娘とか言ってましたね。一人っ子の一人娘。嫁には出さんってなったんですか?」
 イツキが、努めて明るく尋ねる。先程少年が『なった』とは言わず『した』と口にした事を聞こえなかったかのように。
 「いえ。んー…どこからお話しすれば良いか…。」
 少年は、考え込むように少々眉間を寄せる。

○っぱー参上! ⑤

 課長の『壮行会』後日談

 胃が重い…
 腹が緩い…

 飲みすぎた?
 年のせい?

 悲しいのぉ(泣

 本人的には「大量のオリーブオイルのせい」にしています



 で、終わらせると
 お店をdisってるみたいな状態になりますので
 念の為申し上げますが
 
 美味しかったですよ。お料理

 美味しいから食べ過ぎる ⇒ 気付かずにオリーブオイルを大量摂取
 って事です。

 オリーブオイルって、まるで日本の出汁の様に使われる様なので
 料理をつまんでいれば自動的にオリーブオイルを摂取する事になるワケで…。

 そこらの「XXオイル」に比べれば遥かに軽い(?)とはいえ
 大量摂取すれば、そりゃぁ…ねぇ。
 (過ぎ去りし時を思い出……しちゃダメだ!自分!!)
 
 でも…美味しかったなぁ…。


 酒に関しては、カクテル類ならまだしも
 同じメーカーの同じ銘柄なら
 どこで飲んだって同じ味だろうと思うので
 触れません。
 気分や雰囲気で感じ方は変わるけどね。

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