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最上部にて…

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子育て? ⑤

 ルーヴは言付かっていた『手紙』をイツキへ渡すと、イツキが目を通す間その傍らで背筋を伸ばし姿勢良く佇み、イツキが読み終わるのを静かに待っている。
 その様子、態度に不自然さを感じたオミが
 Ξ キーちゃん、なんか…マズくない?放っておいていいの? Ξ
 対象をイツキに絞って、テレパシーで声を掛ける。
 Ξ うー…ん…良くは…無いねぇ。行儀は『悪い』より『良い』方が望ましいとはいえ、良すぎてもねぇ…。だからってラクにしろって言っても無理だろうしねぇ…困ったねぇ Ξ
 イツキが苦笑するイメージと共に返事を返すと
 Ξ ラクにさせるののドコのナニが無理なのさ? Ξ
 オミが少々苛立たし気に問いかける。
 Ξ 「『お行儀に気を付けて過ごしなさい』って言われた」ってさっき言ってたろ Ξ
 イツキの返事にオミが不満を表すと、イツキが同意を示すイメージと共に呆れた様子も合わせて送ってくる。
 Ξ ま、寮長サンとやらもまさか『行儀なんて気にするな』とは言えねぇワな。…多分、問題はルーヴの『聞き分けの良さ』だろ。こんなに聞き分けがよくて、キチンと守る子とは思わ無いだろうしねぇ…。ま、慣れたらまた違うのかもしれないし?暫くは様子見だな Ξ
 渡された『手紙』に目を通す振りをしながらの数瞬で、オミとのテレパシーによる意見交換を済ませるイツキ。
 一通り目を通すと、傍らで姿勢良く立って様子を伺っているルーヴへ向け、穏やかな微笑みを浮かべながら声を掛ける。
 「コチラにいる間の生活で色々気を付けるべき事や、やった方が良い事、やるべき事が書かれているね。で、だ、一日の過ごし方の時間配分を考えながら、やった方が良い事ややるべき事なんかを話し合おうか?」
 最初は簡単な説明を諭す様に、後半はざっくばらんに親し気に聞こえる様に口にする。

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子育て? ④

 イツキに誘われ、オミにも促されて、外の様子がよく見える席に座る様勧められたルーヴは、出された飲み物やスナック菓子等を遠慮がちに口へ運びつつ、庭木の様子や微かに聞こえる小鳥の囀り、風に揺れる草花に目を輝かせている。
 イツキやオミの問い掛けにも気もそぞろに一言二言答えると、直ぐに庭へと注意が向いてしまうルーヴの様子に、二人は微苦笑しつつ、そのまま好きにさせようと目配せし合い、ルーヴを真似る様に庭へと目を向ける。
 興奮した様なキラキラとした目で庭を見つめるルーヴ、と、視界の邪魔にならないように気を付けつつ飲み物を口へと運ぶ二人。
 ゆったりまったりと時間が進み…空になったグラスの内で溶けた氷の音を合図にしたように、我に返ったルーヴへとイツキが軽い調子で声を掛ける。
 「『学校』からと『寮長先生』から、手紙を預かっているだろう?それをちょっと出してくれるかな?」
 ルーヴはイツキに言われた内容から、着いたら直ぐに渡す様言付かっていたことを忘れていたと気付き、慌てて椅子から下りようとする。
 「あー…焦んなくていいから。ちょっと位見るのが遅くなっても困らないから。」
 慌てた様子を見せるルーヴへと和やかに声を掛けつつ、慣れるまではもう少しさり気なく言わないとマズイな、と秘かに考えるイツキ。傍らから様子を見ていたオミは、まさかオミ達を警戒していたりはしないよね?と微かに眉を寄せる。尤もルーヴ本人はそんな二人の様子に気付かず、持参していた荷物の中から、渡す様に言われていた『手紙』を大急ぎで探り出している。


子育て? ③

 オミは困惑の渦に巻き込まれまいと必死に抗い、改めてルーヴへ声を掛ける。
 「あのね、ルーヴ。そんなに行儀良くしなくていいんだよ?」
 責めるような口調にならぬよう必死に気を付け、自身の経験不足からくる困惑を押し隠し、話しを(『会話を』では無い)続けられた達成感も押し殺し、相手に気を遣わせてしまう様な妙なプレッシャーを掛けないよう注意して、オミとしては優しく声を掛けたのだが… ― ルーヴは眉尻を下げ、困った様子を見せる。
 「ェッ…いや…あの…。あ…のね、怒ってるんじゃないよ?あの‥あの…少しぐらいお行儀悪くても、ね、怒らないから…だから、その…えー…と、ラクにしていいんだよ?」
 ルーヴの困った表情を目にして、怒っている訳では無いと慌てたオミが言葉を続けると
 「寮長先生がね…『お行儀良くして過ごさないとダメですよ』って。『お行儀悪いと預かり親さんが困っちゃいますからね』。『困らせるのは悪い子ですからね。』って。『お行儀良く、出来るでしょう?』って…だから、あの…ボク…。」
 話し方はたどたどしく最後の方は口ごもり、尋ねるような訴えるような上目遣いをする少年から応えが返る。
 確かに、矛盾する事を勧められたら大人であっても対応に困るであろうと、オミが何やらと声を掛けようと口を開きかけると
 「気にすんな。ちょっとぐらい行儀が悪いからって、そう簡単に困ったりなんかしないから。」
 ぴったりのタイミングでイツキが声を掛ける。
 少年とオミがそちらへ顔を向けると、イツキがにっこりと懐こい笑顔を見せ
 「鍛えられてるからな。ちょっと位へーきヘーキ。」
 それより、こっちのテーブルでお茶にしよう。外が良く見えるよと手招きする。

子育て? ②

 これまでのオミなら、知り合ったばかりの人には、笑顔を浮かべながら頷いたり首を振ったり、不思議そうな表情を浮かべながら首を傾げたりして誤魔化しつつ、(他はせいぜい型通りの挨拶程度で)イツキに全て丸投げしていたのだが…。カズキ達がお泊りに来て以降、何か思うところでもあったのか、自分から関わりを持とうと、ささやかではあるが対応に変化が表れている。
 懐こいといえばいいのか…押せ押せのカズキや『お姉ちゃん・お兄ちゃん達』の様子や、彼等に対し決して悪い思いを感じていない自身に思い至ったか、オミの『他者に対しての目線』の変化に気付いたイツキが半ば一方的に、『預かりっ子』ルーヴの相手を主体となって行うよう命じると、オミは僅かな抵抗を見せはしても今迄とは比較にならないほどの短時間で承知した…の…だが。
 タイガーにルーヴの匂いと名前を教えると、次は何をどうしたらいいか直ぐに戸惑ってしまう。
 (えーと…?飲み物飲んで一息…ってキーちゃんが飲み物持って来てくれないと意味ないし、オミが取りに行くのも…ほったらかしにしちゃうからアレだし…。荷物を部屋にって…座れってしたの自分だし、邪魔になる程の荷物でもないし…んー…?)
 警戒させない様笑顔を浮かべながらも、内心では冷や汗を流しつつ脳内フルスピードで悩んでいるオミの目に、身体を固くしてやたらと姿勢を正し行儀良く座っているルーヴの姿が目に入る。
 「…ルーヴ?」
 オミに声を掛けられた少年が、尚一層背筋を伸ばして
 「はい?」
 と答えたものだから…カズキ達の、良い意味での力の抜け具合と妙な対照を見せるルーヴの様子が、サンプル数の極端に少ないオミの脳ミソを更なる困惑へと追い込もうとする。



子育て? ①

 カズキ達がお泊りをした時よりも気合を入れて準備を整え、まるで待ち構えているかのようなところへ、少年が配達された様に送られてくる。
 予め注意を受けていたのか薄手の長袖と長ズボンを着ているが、服の上からも分かる程細っこい手足をし、着替えの入ったバッグを心細げに抱えながら戸口に立つ少年へ、イツキが笑顔を見せながら声を掛ける。
 「お帰り。」
 ―― お帰り ―― ?って住んでいる人が外から戻った時にかける言葉じゃないの?
 少年がキョトンとしていると
 「俺達が『預かり親』なんだし、親元に来るって事は『帰って来た』って事でしょ?」
 イツキが聞き取り易いようにとゆっくり説明し、合点のいった少年ははにかみながらも笑顔を見せ
 「た…ただいま…。」
 たどたどしく応える。
 声が聞こえたらしく、奥のリビングからタイガーが『あんた誰?チェック』をしに来ると、猫に慣れていないのかオドオドとし、困った顔を見せながらチェックを受ける。その様子を見たイツキが苦笑を浮かべ、やはりゆっくりと説明する。
 「猫は…普通、知らない人が来たら物陰に隠れたりするらしいんだけど、ウチのは好奇心が強くてね。一通りクンクンしたら満足するから、悪いけどそれまで耐えてね。」

 満足したタイガーがリビングへと向かうと、イツキがついて行くように少年を促す。
 促された少年がリビングを覗くと、ソファーに座ったオミがタイガーへ話しかけている様子が目に入る。
 「誰だった?知ってる人?」
 タイガーの喉を撫でながら声を掛け、ソファーの自分の隣に座る様にと空いている手で軽く叩くが少年は理解出来ず、察したイツキが隣に座るよう促すので、聞き分け良くそーっとオミの隣へと腰を下ろす。
 「お帰り。」
 オミもイツキと同じ様に声を掛ける。
 「た…ただいま。」
 習い始めて間の無い少年の少々硬い返事を聞くと、オミはタイガーへ向けて紹介する様に声を掛ける。
 「タイガー、いい?ルーヴだよ。覚えてね。ルーヴって言ったらこの子だよ。」
 声を掛けられたタイガーが軽く首を傾げると、すかさず少年の匂いをかがせ
 「ルーヴね。ルーヴ。」
 念を押す様に声を掛ける。

むかぁ~し昔の事じゃったぁー… ⑦

 銀色の髪の子の呟きを辛うじて聞き取った翠色の髪の子が、一瞬にして怒りを面に表すと
 「ちがう?」
 銀色の髪の子が、不思議そうな顔をして呟くように尋ねる。
 「俺や俺の買って来た物のどこが『下賤』なワケだ?」
 謂れなき侮辱を受けたと声音に表し、憮然とした表情で尋ね返す。
 「…ふくと…かみ…。」
 銀色の髪の子が小さな声で答えるが、翠色の髪の子は
 (ふく?噴く?吹く?拭く?服?福?あ『服』か。じゃぁ、かみって?紙?嚙み?神?髪?)
 と頭を悩ませる。
 (もしかして…まさか、この子…オツムが…?)
 翠色の髪の子が、大変失礼な方向に考えを向けだすとほぼ同時に、銀色の髪の子が口を開く。
 「ふくかえないの?ものすごくわるいことしたからかみみじかいの?」
 (えー…と?)
 翠色の髪の子は怒っていたはずであるが、その事は綺麗に忘れ、銀色の髪の子の言葉の脳内変換を優先する。
 (ふくは服でOKとして…かみは髪で。かえない?替えない?変えない?まさか飼えないじゃぁ無いよな…。かみみじかいは髪短いだよなぁ。した場合わるいことは悪い事で良いとして…物凄く悪い事?ってなんだ?悪い事と髪が短いのがどうして繋がるかな?っていうか…なんでこんなにたどたどしい話し方なんだ?)
 翠色の髪の子が頭の中に『?』を山盛り走り回らせているというのに、銀色の髪の子は全く関知せず更に言葉を続ける。
 「わるいことしたひとのたべものたべるのはだめっていわれた。わるいひとなの?」
 (えーーーっ…?悪い事と悪い人と髪の長さと服がどう関係するの?この子ナニ言ってるのっ???下賤ってどう絡むのぉっ?)と翠色の髪の子パニックを起こしかけるがふと気付き、冷静に真顔で一言。
 「俺んトコではコレが普通なのっ!」


じゃんけんで進んでいく アレ

 梅雨時の晴れ間
 日が傾いて風が出てきて
 夏が近づいたと感じたある日

 外から親子連れの楽し気な声が聞こえた
 子供の元気な声
 お姉ちゃんと弟かな
 それと
 お母さんの声
 お父さんは留守番かな

 子供たちの声は
 当たり前だけど
 すっごく嬉し気で

 でもそれ以上に
 お母さんの声が
 とても楽し気に響いてて

 コンビニにちょこっとお買い物かな?
 車の通りの比較的少ない道で
 仲良しさん


受け入れ側も大変なんです ③

 イツキやオミが受け入れ態勢を整えるべく、普段自分達は1階部分をメインに使っているのだからと、預かりっ子の部屋として1階の空室を宛がう事とし、室内を掃除し仕舞い込んでいたベッド用マットレスを引っ張り出し虫干しを繰り返しシャワーやトイレの状態を確認し小振りの書き物机をこれまた引っ張り出して磨き上げ…etc…etc…。
 普段ポヘーっと気ままに過ごしているオミまでもが、イツキの指示の下独楽鼠の様に働いている。また、日中過ごしているリビングに小さな本棚を設置し、未だ読み書きに不便のある少年用にと、幼い子向けの絵本であれば、絵で情景を表し簡易な言葉で表現されているので、楽しみながら言葉を覚えられるだろうと、物語を多めに、動物・昆虫・魚・身近な道具類などが書き記された図鑑等を並べ立て、ついでに、真似て絵をかきたがる可能性を考慮し画用紙やクレパス等も、気軽に使える様無造作に置いておく。
 「…後…なんかする事あったっけ…?」
 普段はここまで細々と動き回る事の無いオミが、疲れ果てた様を見せ尋ねる。
 「んー…タイガーが本とかを引っ掻いたりしない様に言い聞かせるとか?」
 「タイガーはそんな事しませんっ。読んでるのを邪魔したりはあるけど。」
 自分が可愛がっているペットを侮辱されたと、不機嫌そうに応える。
 「あー…泊まるんだから…着替え。」
 こちらもオミ程では無いが疲れた表情をしつつ、ボーっとした頭で無理矢理引っ張り出した『支度』を口にする。
 「幾つかは持って来るんでしょ?だったら、新しいのは買いに連れて出れば?」
 幾分持ち直したオミが(面倒臭がっているだけかもしれないが)提案する。
 「あー…そーねーぇ。好みがあるだろうしねー。サイズも分からないしねー。本人居た方が良いねー。」
 ダルそうに投げやりに応えるイツキ。
 「あーもぅ考えつかねぇ。埃落とすのに風呂入ってくるわ。お前も後で入れよ、埃臭いぞ、きっと。」
 腰を上げながら声を掛けてくるイツキへとオミも
 「んー…入れ替わりで入るー…。」
 面倒臭さを声音にも表して応える。

 湯船に湯を張る音が暫くの間微かに聞こえていたが、それも直に止まり、イツキが部屋内を移動している事を示すドアの開け閉めの音が聞こえ……。
 「あーっ!オミッ!タオル!タオルが無いっ!」
 脱衣室からイツキの声が響く。
 疲れのせいでタオルも持たずに風呂へ向かったのかとオミが慌てて身を起こしたところへ、更にイツキの声が響いてくる。
 「子供が喜んで使いそうなタオルが一つもないっ!目に沁みないシャンプー!やたらと泡立ちの良いボディソープもっっ!」

受け入れ側も大変なんです ②

 自分たちで考えるのは早々に諦め、多分きっと『標準的』家庭で生活しているに違いないと思われるとある少年に、通信手段が限られるため事情を記した手紙にて問い合わせる。と、早速返事が届く。
 助かったとばかりに喜んで封を切ると、少々子供らしさが残るとはいえ普段ジッとしていられない子の字とは思えない、伸びやかな文字が目に入る。宿題に励んでいた姿を見るとは無しに見ていたとはいえ、ノートを埋める文字の一つ一つを事細かに見てはいなかったので、彼がこのような伸びやかな字を書くとは思ってもいなかった二人は(失礼にも)思わず感心する。
 「へぇ、丁寧な字を書くねぇ。」
 「読みやすい字だねぇ。」
 二人共…本っ当ーに失礼な感想を漏らす。
 内容は…一日の生活の具体例が学校のある日と休みの日。学校や家庭でのイベントの種類や内容。イベントとは言い難いが、季節による遊行等、アドバイスを受けながらであろうか中々に分かりやすく書かれている。
 「へぇー。じゃぁ、泊まりに来た時に山やら川やら海やらに連れて行ったのは『当ってた』って事ね。」
 リクエストに応えただけだけどねー。
 オミが感想を述べると、イツキが少々悩みながら口を開く。
 「あの子の誕生日ってイツだ?」

 預かる期間に誕生日が合致するのならパーティーをすべきだろうと、大慌てで『総本部』へと確認を取るイツキ。
 帰ってきた返事は「雨季が終わったと思われる数日後」。
 だから、ソレって『いつ』?
 疑問の溶けないイツキは、現地へ派遣されている担当に問い合わせる。
 「大体…総本部暦で4月の終わりから5月の頭が雨季の終わり。」
 だから『イツ』なんだよっ!
 「日にちの概念を必要としないで生きてきた人に『イツ』なんて求めたって無理でしょー。」
 イライラを隠す事無く態度に表すイツキに、オミがボソッと呟く。
 的確に指摘されウッと詰まるイツキに意味ありげに微笑みかけるオミ。そんなオミの表情に思い当たる節のあるイツキは、ゆっくりと一つ深い息を吐き
 「そうだな…。該当しそうな日を両親や本人と話し合わせて『誕生日』にする様、掛け合うか。で、決まったら連絡を貰う、と。性格と病歴と…学習深度も付けて貰うか…。」
 自分に言い聞かせるように呟き、総本部の担当者へと依頼書の作成に取り掛かる。


受け入れ側も大変なんです ①

 さて、全く不本意ながら『後見役』を 押し付け 仰せつけられたイツキとオミ。
 ガリガリに痩せた少年を近々家庭に招き、『標準的な』家庭生活を経験させよとのお達しを受ける。
 何んとな~く一緒に行動するようになり、それなりに理由があった上で一緒に生活をしているとはいえ、一般的な『家庭生活』とはなんぞ?状態で具体的な在り様はサッパリ思いつかない二人。
 「あの子の通っている『学校』から、なんか具体的な指示きた?」
 生活 = 食べる・遊ぶ・寝る(なんなら『イツキに駄々捏ねる』も追加するよ)のオミが投げ槍に尋ねる。
 「常識とされている挨拶・行儀は教えた…らしい。」
 生活 = 食べさせる・遊ばせる・寝かせる(アレ?)のイツキが応えると
 「挨拶って…わざわざ毎日毎回、何らかの形で必要なシチュエーションを整えてたって事?じゃないと覚えるなんて無理だよねぇ?」
 「やってたんだろうねぇ。あの子なんて特に、母国語での読み書きすら怪しいんだから。言葉で説明したって理解不能な事がそれなりにあんだろ。」
 「読み書き?」
 何やら記憶が刺激されたらしく眉間に皺を寄せ考え込むオミ。
 「どっかの誰かさんの国でも『一応』『文字らしきもの』はあったみたいだけどぉー。」
 「しょーがないでしょー。オミは『教育対象外の男』に生まれちゃったんだから!」
 「学ぶ気ってあったか?」
 オミが開き直ったので雰囲気を変え、以前より疑問であった点を大真面目に尋ねる。
 「全くない。『知っちゃいけない事』って勝手に思ってたぐらいに『無い』。むしろ学ばなくて済んでラッキーって位に『無い』。」
 正々堂々胸を張ってドきっぱり答える。
 「お前が知っていれば…歴史の謎のアレコレが…少しは…っ!」
 悔しがるイツキに
 「無理だよー。オミがパパ・アンディーに保護されたのって10歳位の頃だよ?学んでたって入り口をチョッピリだよ。大体それなら、当時既に大人だったパパ・アンディーやママ・レティシアはどーすんのさ?あの人達が学んでいたっていいでしょうに。」
 「『他国モン』じゃん、パパ達。『留学生』なんてモンを受け入れていたか?お前ンとこの国。」
 「知ーらなーい。子供だったからわかんなーい。」
 「知る気も無かったんだろ?」
 「『女』の仕事だしー。迂闊に興味を示したらナニされたか分かんないしー。」
 胡乱な返事が返ってきたところで、流石にイツキも諸事情を聞き知っている立場上深入りを避けようと話しを変える。
 「で、話しを戻して『一般的な家庭生活』なんだが…。ナニのどんな事を指していると思う?」
 「『今現在標準とされている国の更に標準とされる家庭での標準的な家庭生活』なワケだよね?」
 「そう。」
 オミの問いにイツキが簡潔に応える。が…。
 ―― 知るかっ! ――
 やもめ男二人(プラス猫1匹)暮らしだもんねぇ。

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