お兄ちゃん達から言外に牽制されずとも、カズキだって母親との面会の方が遊びより優先されて当たり前だと言う事ぐらい、充分認識可能なワケだが、遠回しにワザとらしい程に口にされると腹が立ってくるもので…。
文句を付けようと口を開きかけた時に、ハタと気付き止める間もなくこぼれ出る。
「お父さん、は…?」
その一言に、一瞬辺りが鎮まり…辺りの気遣う雰囲気を無視し
「オ父サん、なマけモノだから…知ラないっ!」
軽く頬を膨らませたルーヴが、自身でキッパリ答える。
「ナマケモノ?」
「って…怠け者?」
お兄ちゃん達の間では、直ぐに顔を見合わせヒソヒソと小声で確認が取られ、切っ掛けを口にしたカズキは、まさか父親を『怠け者』呼ばわりするとは流石に思いつかなかったので、少々顔を強張らせている。
「グーたラゴろゴろは『なマけモノ』デしょ?」
ルーヴがプンスカしながら、間違ってないよね?と改めて口にすると
「そうだな。本当にグータラゴロゴロなら、怠け者だぁね。間違っちゃぁいない。」
シンが苦笑しながら認める。が、そのシンへマサトが気遣わし気に視線を送り
(まずいんじゃねぇの?親に対しての生意気口を容認しちゃぁ)
と、目で訴えるも
(反抗期かも)
と、シラっと口パクで応える。
シンの口パクを、その場にいる殆どのメンバーが理解したが、微妙な空気は変わらず…言い出しっぺ状態のカズキの、居心地の悪さも全く改善されない。
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